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4月15日(金)

野菜の硝酸塩 監視強化へ


帯広消費者協会が独自調査



 帯広消費者協会(種田慈雨子会長)は今年度、十勝産野菜の硝酸塩濃度について監視を強める。国の基準はないものの、硝酸塩は発がん性が一部で指摘されており、同協会の過去3回の独自調査によると、十勝産の一部葉物野菜でEU(欧州連合)の基準を上回る高い数値が出た。このため同協会は、食品の安全・安心の観点から行政や生産者に環境と健康に配慮した農業に取り組むよう注意喚起している。(酒井花)

一部十勝産で高濃度
国の基準なし
生産者らに注意喚起


 同協会は地元の野菜が安全かどうか確かめようと、2003年から硝酸塩と残留農薬について調べている。今回は、市内スーパーなど5店で販売された十勝産野菜8種類23点を対象に実施。依頼先は札幌市の道消費者協会テスト室。

 今回、残留農薬はダイコン1点から有機リン系殺虫剤のフェントエートが検出されたが、微量だった。過去2回とも検出される割合は極めて少なく「残留農薬については国の基準値を超えていない」とし、今回を最後に調査を打ち切る。代わりに注目しているのが硝酸塩濃度の高さで、今後も継続して行う。

 厚生労働省は硝酸塩の1日の摂取許容量を、20歳以上体重58・7キロの人で289ミリグラムとしている。国は水道水の水質基準として1リットル当たり10ミリグラムと制限しているが、野菜にはない。しかし、EUは健康被害と土壌汚染を防ぐ目的で、1997年からホウレンソウとレタスに基準を設け、ホウレンソウは250−300mg%としている。「mg%」は野菜100グラム当たりに含まれるミリグラム数。

 今調査で、十勝産野菜から検出された硝酸塩は、高い順にコマツナ680mg%(A店)、ホウレンソウ581mg%(B店)と、葉物野菜を中心に高い値が検出された。いずれも国の1日の摂取量やEUの基準値をはるかに上回っている。また、コマツナ151mg%と他店と比べ値の低かったE店の野菜は、化学肥料や農薬を使用しない有機栽培の野菜だった。

 調査した道消費者協会によると「硝酸塩は成長を促進させる窒素肥料が関与している」という。畑にまかれた窒素肥料の多くは硝酸塩に変わり、野菜に吸収される。多くは光合成により、アミノ酸やたんぱく質に変わるが、肥料のまきすぎや、曇りや雨が続くと葉にたまりやすい。

 日照不足だった03年の調査はコマツナ、ホウレンソウ2種類が600mg%以上と今回同様高かった。また、02年も全体的に高い。

 結果について、帯広消費者協会は「天候にも影響されるが、非常に高い値。消費者の安心を高めるためにも、化学肥料(窒素肥料)の使用を控えるよう求めたい」とし、結果を行政や生産者団体に配布している。

 一方で、硝酸塩と健康の関係はまだ明らかになっていない部分も多く、EUは基準は設けているが、流通については制限していない。厚生労働省も「水洗いや加熱で硝酸塩は減少することから、単純に1日の摂取許容量と比較し、制限することは適切でない」とする。

 ただ、市農業技術センターは「今回の結果を単純に化学肥料の使用に結びつけることはできないが、野菜の硝酸塩については国も減らす方向で、道も硝酸塩濃度が低くなる夕方の夕取りを推奨している。環境に負荷を与えない農業についても指導したい」としている。

 <硝酸塩>自然界にも存在し、人間が摂取しても健康体であれば多くは尿として排出されるが、多量に取ると体内に蓄積される。特に乳幼児は残留しやすい。体内で亜硝酸塩に変化すると、メトヘモグロビン血症や発がん性物資のニトロソ化合物の生成に関与する恐れが一部で指摘されている。


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