年間キャンペーン第5部

光は観えるか
立国への課題と方策

4.どうつかむ、海外客


必要な現地とのパイプ強化

案内表示など環境整備も万全に


 「冬のソナタ」を起爆剤に今年、「韓流」フィーバーが日本を席巻したが、台湾でも同じように“日本ブーム”が1990年代後半から続いている。台湾では日本の映画やドラマの人気が高く、数年前から「哈日族(ハーリーズー)」と呼ばれる日本びいきの若者が急増しているという。

全体の7割占める台湾

韓国からの集客増を目指す「サホロリゾート」では、韓国人のチェさん(右)が海外からの旅行客に対応している



 「日本を訪れる台湾客の一番人気が北海道。雪の降らない亜熱帯気候に住む人たちにとって、明確な四季や自然の美しさが魅力のようだ」と帯広市空港事務所の川西正純所長。十勝にも多くの台湾客が流れ込み、十勝支庁がまとめた2003年度の管内訪日外国人宿泊人数では全体の70%(延べ3万8984人)を占める。

 とかち帯広空港の国際チャーター便発着数も台湾便が初就航した2000年度から年々増加。今年度は11月末までに計199便(外国人客の利用分)と既に前年度の150便を上回り、そのほとんどが台湾便だ。今年5月にはアジア観光客の誘致強化のため、十勝と網走地区の行政や関係機関が連携した「ひがし北海道国際観光ルート整備協議会」が発足し、海外の旅行会社との連携に取り組んでいる。

 「お客さんを待つ従来の風潮を変え、自分たちで呼び込むことが必要」と力を込めるのは、年間約5000人の台湾観光客が訪れる然別湖ホテル福原(鹿追町)の坂本昌彦支配人。同ホテルでは96年から台湾市場を開拓。昨年10月には坂本支配人が旅行事業部長を務める旅行会社アークストラベル(本社札幌)が立ち上がり、「台湾の旅行代理店へ日本の情報をリアルタイムに伝える」(坂本支配人)ことで集客増を図っている。

韓国市場に注目のサホロ

 一方、新得町のサホロリゾートは韓国市場に力を注ぐ。西田吏利総支配人は3年前から、所属するトップスキーヤー山田卓也さんを韓国の大会に参戦させている。山田さんの活躍が同リゾートのPRにつながり、韓国での知名度が上昇。3月には韓国ドラマ「いつか楽園で!」の撮影(今夏両国で同時放送)も行われた。

 今季は韓国の旅行代理店6社が同リゾートのツアー商品を販売。初の韓国人社員として12月に採用されたチェ・ウンニョンさんは「こんなに広大な景色のスキー場は韓国にはない」と話す。

 ただ、管内の観光関係者の間では「台湾人の北海道人気は今がピーク」との見方も強く、今後はいかにきめ細やかなサービスでニーズを満たし、リピーターを生み出すかがカギとみられる。

万全でない受け入れ態勢

 道内の観光地が海外で発行されている日本旅行用ガイド本に広告を出す例は珍しくないが、管内では海外客の受け入れに対して観光地間の“温度差”が大きく、全体として他地域に後れを取っている感が否めない。とかち帯広空港では11月から職員対象の台湾語講座を開始し、販売員らが単語カードを持って旅行客に対応する体制ができたばかり。帯広の中心街では台湾語などの表記はほとんど見られず、受け入れ態勢は万全とは言い難い。

 台湾、韓国に続き、管内の関係者は「超巨大市場の中国本土は魅力的」と口をそろえる。来日の規制緩和が進めば、将来的に台湾以上の「お得意様」となる可能性も高い。現状の海外客入り込みを維持し、新たな観光客を誘致するには、早急な受け入れ環境整備と海外とのパイプづくりの一層の強化が求められる。

(松村智裕)(04.12.16)
 

5-15-25-3|5-4|5-55-6index


HOME