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農業の新たな挑戦 全国先進地ルポ 岡山県船穂町「テクノ・クリーンタウン構想」 |
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付加価値生む“循環型” 未発酵有機物を発酵堆肥に 「クリーン農業のイメージは、生産物の付加価値化につながる。消費者は安心、安全、本物を求めている。特色ある地域でなければ、21世紀は生き残れない」。“陸の真珠”と評されるマスカットの産地・岡山県船穂(ふなお)町の土井博義町長が、農業を含めた循環型社会の実現を目指す「テクノ・クリーンタウン構想」について説明してくれた。
丘陵地帯の入り組んだ細い道沿いに、マスカット用のビニールハウスが点在する。ハウス栽培の「加温マスカット」の全国シェアは約45%。「マスカットと清流の町をブランドとして定着させたい」と町全体でのクリーンな循環型社会実現を目指し、同構想がスタートした。 構想の核として真っ先に開設されたのが、マスカットやダイコン、ニンジンなどの農業残さ物と家庭の生ごみを扱う「町堆肥(たいひ)センター」。稼働したのは1996年のこと。未発酵有機物から発酵堆肥を作るプラントの実用化は、国内初だった。同センターを運営する町農業公社の狩山恭三事務局長は「循環の輪の中から価値を見いだし、町を輝かせていきたい」と期待を込める。
年間生産量150トン 農家は、家畜のえさなどで適正に処理できない農業残さ物を同センターに直接持ち込む。各家庭にはバケツとボカシ(発酵促進剤をぬかに混ぜたもの)を配り、週1回、同センターがバケツを回収してプラントに投入する。約1週間で有機堆肥「テクノペレット」に生まれ変わる。
町内では3小中学校の給食にペレットで栽培した米を提供。来年度からは給食用のすべての野菜づくりに活用する。 また、同センターでは「労働力のリサイクルを図る」(町産業課)観点から、町シルバー人材センターに登録する高齢者9人を雇用。生き生きと働く従業員の口からは、「充実した毎日」との言葉が相次いで飛び出した。 マスカットの付加価値化は別の側面からも展開。「通年味わえる商品で町のファンを作りたい」(土井町長)と、2000年からマスカットワインを製造、04年には工場が完成する。ワイン用だと粒の形にこだわらないため、「無農薬栽培も視野に入れている」(同課)。
消費者PR課題 循環型のクリーン農業をどうやって消費者にPRするか−それが目下の課題だ。認証シールなどの具体策は模索中だが、土井町長は「環境に対する町民の意識は向上しており、基盤は整備されつつある」と話す。 農業を軸とした循環の輪の広がりが、町全体に活力を与えている様子を目の当たりにし、環境が農業に新たな価値を生み出す日が近いことを感じた。(池谷智仁)(03.01.07) <テクノ・クリーンタウン構想>人と自然が共生し、生きがいの創造できるまちづくりなどを基本目標に、1994年にスタート。地場産業の振興やごみの再資源化、福祉、バイオ技術(テクノ)などを複合的に駆使して、環境に優しい(クリーン)住みやすい地域(タウン)を推進していく構想
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