自校式給食 

安心・温かさで「食育」推進
学校と地域連携不可欠

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子供の体調把握

 「出来上がりの温かさがおいしさの一番の要素。より安全で、子供たちの反応もじかに聞ける。給食の残り具合で、その日の子供たちの体調も把握できる」。音更小学校の学校栄養職員、一戸希和子栄養士(32)は自校式給食の良さをこう話す。

 十勝管内では、地理的条件を抱える新得町富村牛小・中学校(35食分)を除くと、音更町だけが各校で調理する自校式給食を続けている。現在、町内全20校、約4500食分を賄う。

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11月の「十勝を食べよう給食」では音更産ナガイモの角煮がメーン料理。調理員の気持ちがこもった給食だ(音更小学校)
音更小では653食

 町内には4人の栄養士が在籍。半月ごとの統一メニュー作成から生産地を指定した食材選び、配送の手配まで、自校式給食を支える役割を担う。音更小では毎日653食、午前9時までに食材を調達し、同10時から調理に取りかかるのが日課だ。

 町は「食育」「地産地消」という観点を重視。地場産品をメーン料理に据え、食材から地域を知ってもらう取り組みに積極的。1993年度から8年間は、年80万円を補助して月1回の「大地のめぐみ給食」を実施。昨年度からは、理念が浸透したとして補助を打ち切ったが、新たに「十勝を食べよう給食」を始めている。

 今年11月の「食べよう給食」では、収穫したばかりの音更産ナガイモの角煮を献立の中心に据えた。ナガイモに関する知識を記したチラシを事前配布、給食時には児童から「これがあの畑で取れたものなの」などと声が聞かれ、にぎやかな時間を過ごした。

 2002年度の同町学校給食の産地別野菜(27品目)の使用割合(重量ベース)は、町内産8%、十勝産24%、道内産30%、道外産38%。町が掲げる地産地消の理念と栄養士の食材選びなどにより、十勝産の使用率は管内町村の中でも上位に位置。畑作地帯の同町ならではの結果ともいえる。

 ただ、自校式給食での地産地消には、とりわけ食材配送に掛かるコスト面での課題がある。町教委学校教育係の小塩教敬係長は「毎日のように地場産品を取り入れたいが、決められた給食費内では限界がある」とする。

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配送費は材料費に

 音更町では1食につき小学校で210−220円、中学校で240−245円が予算額。町に1カ所の給食センター方式だと調理者は十数人で済むが、自校式の音更では、委託の調理員60人が働く。人件費は町の負担となり、配送費は材料費に含まれることになる。

 11月の「食べよう給食」にナガイモを提供した木野・おとふけ両JAでは、「生きた材料を知ってもらう食育の理念には賛成するが、農協が1校1校配送して回るわけにもいかない」。経済団体としてのジレンマも感じられる。

 自校式給食は、より安心の温かな食材を提供しながら、地域理解も含めた「食育」をきめ細かに推進できる可能性がある。半面、配送面でのコスト高という欠点をもつ。自校式の継続には町と農協、学校と地域との連携が不可欠になる。(木村仁根)(03.11.27)

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