ふるさと給食 

地場産の意義どう伝える?
長い目で効果期待

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 「帯広市の学校給食に使う食材は市内、十勝管内産の割合が75%を占める。これだけ地産地消に尽くしても、子供たちに地場産品を食べる意義を理解させるのは難しい」

 市学校給食共同調理場の大野拓治場長は、こう指摘する。

 帯広市の場合、学校給食の地場食材は100%市内産のカボチャをはじめ、ニンジン、ジャガイモ、チンゲンサイ、タマネギなど豊富。1983年10月からは毎年、収穫期に「ふるさと給食週間」を実施しており、期間中は地元農産物を通常より多く消費。栄養バランスを考え、豊富な食材を組んだメニューを取りそろえている。

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帯広市の「ふるさと給食週間」。子供たちの関心を地元農業に向けさせるのは難しい(11月10日、明星小学校。折原徹也撮影)
産地より献立

 しかし、アンケートで「ふるさと給食週間はあった方がいい」と答える子供たちは91年度の調査以来、年々減る傾向。小・中学生ともに93年度の71・7%、58・7%が最高で、昨年度は小学生が過去3番目に低い52・5%、中学生は過去最低の30・8%にとどまった。

 大野場長が「子供たちの興味は産地より献立にある」と言うように、アンケートでは「八千代スライスソーセージ」「大正金時メンチカツ」「サキサキチーズ」「かしわホクシンうどん」などが人気。「サケのナガイモはさみ焼き」「三平汁」「カボチャスープ」といった魚、野菜類は「おいしくない」との回答が目立った。

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新メニュー開発

 こうした中、同調理場では今年9月、地場産物を使う新年度のメニュー開発に向け、小・中学生の子を持つ主婦ら7人を集めた「学校給食献立開発ワーキング会議」を発足。コンビニエンスストアやファストフードの味に慣れた現代っ子に、地場食材のおいしさを発見してもらえるメニューの充実を目指す。

 これまでに「塩サケコロッケ」「ジャガイモのささみ揚げ」「カボチャのミルク煮」「ナガイモフライ」などのオリジナルメニュー15点が集まった。同会議では来年1−2月にかけ、これらのメニューの試作・味見などを行い、年度内に新メニュー数品を決定。「ふるさと給食週間」も含め、来年度の学校給食で披露する考えだ。

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おいしさ気付いて

 一方、地場産食材をめぐる啓発活動は、同調理場に勤めるわずか4人の学校栄養職員が市内26校の小学校を手分けして回っているのが現状。大量の給食を一手に引き受けるセンター方式の苦労も垣間見える。

 大野場長は「例えば、現施設が更新されて生もののサラダが出せるようになれば、子供たちは野菜のメニューを好んでくれるようになるかもしれない。ただ、成長すれば食べ物の嗜(し)好も変わる。大人になって地元農産物のおいしさなどに気付き、忘れないでいてくれることも大切」と長い目でみた教育的成果を期待している。(岩城由彦)(03.11.26)

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