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農業の新たな挑戦 全国先進地ルポ 札幌市清田区「アミノアップ化学」 |
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大豆利用し抗腫よう物質 地元農産物に大きな可能性 膨大なデータ
札幌市中心街から車で約30分。豊かな森林緑地に囲まれた清田区「札幌ハイテクヒル真栄」の「アミノアップ化学」で、創業者の小砂憲一社長(54)が迎えてくれた。 同社は札幌出身で道内の耕地改良事業に携わっていた小砂社長が1984年に設立。3階建ての工場にはコンピューター管理された最大15トンの培養タンク28基が並ぶ。医薬品も製造できる凍結乾燥機は東洋一の規模。研究室には、身近な素材にこだわって新製品の開発に明け暮れる研究者たちの姿があった。 これまでに、大型タンク培養法を用いて植物生育調整物質(アミノアップ)、キノコ由来免疫賦活物質(AHCC)の開発製造に成功。天然物を原料としたシソの葉エキス(アミン)、ソバ由来抗酸化物質(PMP)、大豆由来天然抗腫よう物質(GCP)の抽出・製造も果たした。一貫しているのは、地元の素材に着目する姿勢だ。
キノコと培養 中でも、同社が「世界でも右に出るものはない」と自負しているのは、GCPで具体化した大豆に含まれる生理活性物質イソフラボンの基礎研究。担子菌(キノコ)と混合培養して反応させることで、がん細胞が新たに作る血管を抑制、がん細胞を“兵糧攻め”にして副作用を招かずに死滅させる効果があるという。 「イソフラボンの効果をうたう商品は数多くあるが、担子菌と組み合わせてがん細胞を死滅させるのは独自の技術」(小砂社長)。その特殊な製法には国際特許が与えられている。
現在、世界500カ所以上の大学や医療機関などと多角的なネットワークを組み、本社の動物実験のほか、国内外でがん患者による臨床実験を展開している。医薬品と同様の研究体制を敷き、完全なデータがそろった段階で本格的な販売に乗り出す計画を立てている。 同社の生物科学分野主任研究員で医学博士の若命浩二さん(34)は150種もの実験用植物がある薬草園を前に「身近な素材にはまだまだ多くのヒントがある」と示唆する。「代替医療のみならず、再生医療や遺伝子診断、個人の遺伝子のタイプに応じて最適な薬を投与するオーダーメード医療も視野に入れる」と小砂社長。その言葉に地元農産物の秘める大きな可能性を感じた。 (岩城由彦)(03.1.6) 〈GCP〉大豆イソフラボンの主成分であるゲニステインと担子菌を混合培養した物質で吸収されやすく工夫された健康食品。ゲニステインは血管新生の抑制やがん細胞の増殖を抑える。主にマメ科植物中にゲニスチン(配糖体)という形で存在するが、GCPは担子菌との発酵でゲニステイン(アグリコン)という吸収されやすい形に変換。さらに担子菌の生理活性物質を含んだ。
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