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12月31日(水)

農業、観光に期待も「曇り」

来年の十勝景気予報


 2003年の十勝経済は個人消費や設備投資の低調などで停滞したまま1年間を終える。気になる来年の管内経済動向はどう推移するのか。史上2位だった管内農業産出額(2471億円)や公共事業の削減、来年9月に開催されるWRC(世界ラリー選手権)はどんな波及効果をもたらすか。エコノミスト的な存在の宮本健二財務省帯広財務事務所長と、秋元和夫日本銀行帯広事務所長に聞いた。両氏とも管内景気について農業や観光に期待を寄せつつも「曇り」との見方を示した。(児玉匡史)

日本銀行帯広事務所
秋元和夫所長

経済効果が大きいWRC

大型イベントで十勝をPRすべきだと主張する秋元氏
 来年の景気は薄曇り。多少、日の光が見えるかもしれない。農業が史上2位の産出額を記録したため、関係者を中心に消費や投資が改善する可能性がある。国際的には自由貿易の問題を抱えているとはいえ、厳しい気象や地震を乗り切って達成した。産出額は関係者に史上最高だった去年以上の自信をもたらす。
 一方、公共投資は国、道、市町村の厳しい財政事情を反映し、来年も縮小を続けるものと見込まれる。もっとも、その影響は十勝沖地震の災害復旧工事本格化による下支え効果で少なからず緩和される。
 ただ、企業は全般的に人件費抑制傾向。個人所得を改善して消費や投資が大幅に回復するとは考えにくい。
 それでも来年の十勝は観光で明るい要素が期待できる。来年9月の世界ラリー選手権など大型イベントが開かれる。国内外から集客するため経済効果は大きい。ここで重要なのはホスピタリティー(もてなしの心)の問題。十勝住民が総力を挙げる気持ちが必要だ。
 イベントを単発で終わらせないよう、それぞれがつながりを持って面的に広がるようにしなければ経済効果も一過性。確固たる観光基盤を築く試金石とも言える。
 十勝はいま、好調な海外の需要を取り込む心構えを持って、農産物の輸出を積極的に考える時期にある。十勝ブランドの良さを広める意味でも、ラリー選手権は大きな意味を持つ。


財務省帯広財務事務所
宮本健二所長

観光産業の将来性に期待

農業に続く新産業として観光振興の重要性を訴える宮本氏
 来年の景気動向は全体的に横ばいとみる。これ以上悪くなることもないだろうし、景気をけん引する要素も全体的に見えないと考えるからだ。
 確かに農業産出額が台風や地震の被害を受けながらも、史上2位を記録したことは関係者の努力により十勝農業の底力を改めてみせつけた。
 ただ、昨年の農業産出額も過去最高だったにもかかわらず、十勝の個人消費は最終的には弱い動きが続いた。来年も消費に結び付くかどうかがポイント。
 一方、公共事業については国と地方の厳しい財政事情から縮小傾向は避けられない。地震災害の復旧工事は来年雪解けごろに本格発注される。経済の下支え効果はある程度見込まれるものの、一過性に過ぎない。その意味で十勝経済をけん引する農業の役割は重要になってくる。
 今年は特に大型倒産が目立った。企業の体力は徐々に弱まっている。農業が頑張っているうちに新しい産業の振興に力を入れるべきだ。その1つとして私は観光の将来性に注目したい。
 観光客の趣向は団体型から個人型旅行へ移行しつつある。十勝には安全安心な農畜産物や新鮮な魚介類が豊富だ。北の屋台や豚丼は全国レベルで活躍できる。
 来年9月の世界ラリー選手権は国内外に十勝の良さをアピールできる絶好の機会だ。観光が農業や建設に続く第3の産業として成長することを期待する。


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