news

7月31日(木)

足寄にバイオガス施設

“高温方式”実用化は国内初


町内2カ所
道が今年度

 【足寄】道は今年度、足寄町内の2カ所に、家畜ふん尿の嫌気性発酵処理施設(バイオガスプラント)を整備する。帯広畜産大学と共同研究している三井造船(本社・東京)が、国内で初めて実用化する高温発酵方式でプラントを建設する。バイオガスを活用した熱や電気で施設を運転、処理後の液肥(消化液)は町内の草地、畑地に還元する。(高久佳也、金澤航)

 道の中山間総合整備事業(広域連携)として実施する。施設は町内の鷲府、螺湾に整備。それぞれ酪農家1戸分のふん尿を処理する「個別型」で、処理能力は1日に各15トン(成牛250頭規模)。来年3月15日までに完成する予定。総工費は合わせて1億3860万円。

 受注する三井造船によると、処理施設は、発酵温度が約55度の高温発酵方式。国内では「中温方式」(発酵温度約37度)が主流だが、同社は2001年、帯広畜産大学内に「高温方式」の実証プラントを建設、同大と共同で試験に取り組んできた。広報室では「デンマークの子会社で10年に及ぶ稼働実績を持つシステムだが、厳しい気象の帯広でも良好なデータが得られた」と説明する。

 発酵槽の温度維持などプラントの安定稼働には、ガスエンジンによる発電や排熱を利用する。

 施設は道が整備した後、JAあしょろに譲渡。同JAが畑作農家と連携した液肥活用も含めてプラントを運用していく。十勝支庁整備課の神浩二課長は「整備した施設が継続的に稼働していくためには、液肥の循環システムを地域内で位置付けることが大事」と話している。

 同プラントは、中山間集落の環境管理施設として、ふん尿処理問題の解決や資源循環などを目的に整備する。

 足寄町では「長年の課題だった東部地区のふん尿対策推進に道筋ができた。今後、地元農家や関係機関と連携してクリーンな足寄の酪農を広げていきたい」(農林課)と話している。

<高温発酵方式>
 50度を超す高い温度で発酵させるため、ふん尿に含まれる大腸菌などの殺菌のほか、雑草種子の発芽を抑えるなどの効果が得られる。設備面でも発酵槽の容量を小さくできるメリットがある。


このニュースの著作権は十勝毎日新聞社に属します。