リーダーシップ

◇旗振り役不在論議に閉そく感◇

地域の将来像、どう描く

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トップが共通認識を

 「産業振興は一自治体だけで考えられることではない。十勝にはしっかりとした戦略が必要。合併問題を機に、将来の十勝のありようについて各トップが共通認識を持つべきだ」と管内自治体の幹部は話す。
 合併論議は財政推計に終始、そこからは十勝の視点に立った地域づくりが見えてこない。リーダー、調整役の不在が一つの要因だ。
 十勝の母都市、帯広。「施設は帯広、負担金は町村。広域圏の名の下に、帯広はメリットだけ享受してきた」として、町村の帯広を見る目は冷ややかだ。「十勝圏として期成会のほかは、一体的に議論するテーブルはなかった」(金澤紘一十勝町村会長)のが現状で、合併問題でも「帯広が前面に出ては決してうまくいかない」(市関係者)との声は根強かった。

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帯広市、町村、十勝支庁は役割をとらえ、十勝圏の地域づくりを考えることが迫られている。上から砂川市長、尾山支庁長、金澤会長。(写真はイメージ)

帯広が引っ張るべき

 しかし、各町村の合併問題で、閉そく感が漂い始めるにつれ、雰囲気が変わり始めている。尾山篤治十勝支庁長は「帯広市はこれまで少し遠慮がちだった。十勝20市町村の兄貴分として引っ張っていってほしい」と旗振り役を期待する。町村の首長からも「市には地方分権という大きな枠組みで十勝の地域づくりを語ってほしい」との声が上がっている。
 十勝町村会は4月に「十勝町村行政のあり方検討会議」を設置した。しかし、町村長は「意見交換の域を出ていない」と認める。ある首長は「町村会自体に積極的に問題提起や提言を行う仕組みが必要」と改革を訴える。
 一方、自治体の十勝支庁に対する不満も強い。尾山支庁長は「市町村が自主的に判断するのが絶対。今まで話し合いの場づくりをやってきているつもり」とするが、選択を突き付けられ、立ち往生する町村にとって、十勝支庁は市とのパイプ役、自治体間の“行司役”としての機能を果たし得ていないと見える。

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市長の姿勢に注目

 24日開かれる十勝町村会の第8回「あり方検討会議」に、初めて砂川敏文帯広市長が出席する。
 十勝圏の将来像や市町村行政の方向性などについて意見を交わす予定で、金澤会長は「帯広市がどのような姿勢でこの場に臨んでくるか見えないが、今後のきっかけになる」と期待する。尾山支庁長も「市の存在がなければ現実問題として話が深まっていかないということではないか。市が加わることで新たな枠組みも見えてくるだろう」と注目する。これに対し、市は「兄貴役を果たすにしても長男1人では大変」(市幹部)と、市がリーダー役になることについては暗に否定する。
 合併特例法の期限切れが迫る。20市町村が腹を割ってそれぞれの役割を確認、十勝の将来像を築けるか。ようやくスタートラインに立つ。(おわり)(年間キャンペーン取材班)(02.12.20)
 この連載は井上猛、道下恵次、佐藤いづみ、近藤政晴、古川雄介、岩谷真宏、金澤航が担当しました。



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