広域連合

◇行政事務集約で生き残り策◇

大合併のステップにも

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まず町村が身軽に

 「1自治体では荷が重い専門的事務を、広域連合などを核にして徐々に事業集約し、まず町村が身軽になってはどうか」。会社員や公務員らで組織するNPOのコミュニティシンクタンク「あうるず」(代表理事・梅津一孝帯広畜産大助教授)のメンバーは十勝の自治体再編について、1つのモデルをこう提案する。
 また、地方自治・行政を研究している地域メディア研究所の梶田博昭所長は「(大半が小規模自治体となる)十勝は帯広を中心に町村が広がり、一定の圏域をなしている。合併だけではなく、オール十勝の都市連合のような形をつくることができないか」とする。
 現段階の地方自治体の再編案は、小規模自治体が1万人未満、市に移行できる基礎的自治体は3万−5万人以上。十勝では音更など近隣3町と清水町以外、全町村が小規模自治体となる見通しだ。
 地方制度調査会の西尾勝副会長私案では、合併しなかった小規模自治体について、事務事業の一部を道や広域連合で処理する垂直補完や基礎的自治体の内部団体に移行する水平補完案が示されている。小規模自治体には「強制合併」「権限はく奪」と映り、反発が強いのが現状だ。

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共同で視察を行う管内町村長。各町村が連携した取り組みが今後期待されている(11月下旬、甲府市で)

事務組合の集約も

 あうるず、梶田氏の指摘は、現在管内で行われている合併論議で、「十勝」という視点に立った、地域づくりの将来図が見えないところに発している。
 強調されている財政面だけでみると、町村によっては数年先まで単独で生き残れる町村も多い。だから、合併がいいかどうかの判断に悩む首長、さらに合併の枠組みに入れない町村も出てくる。それなら、農業という同じ経済基盤を持ち、歴史的にまとまりのある十勝で、新たな生き残り策を発信できないかとの趣旨だ。
 「合併が難しい場合、広域的・専門的事務は複数の自治体が共同して執行すべきで、既存の組織をみれば十勝圏複合事務組合を核にして集約する方向がある。さらに複数の事務組合を一つにし人的、財政面のスケールメリットを生かすことも考えられる」(あうるず)

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「現実性ない」の声も

 ただ事務組合には国や道の直接的な権限委任がない。むしろ中核市(人口30万人以上)や特例市(人口20万人以上)のように、国や道の権限を委任され、分権の受け皿となるのが広域連合だ。道内では大学設立を目的にした函館圏公立大学広域連合、介護保険の広域化を進める空知中部広域連合などがあるが、行政事務の一元集約を目標にした連合体はまだない。
 地方交付税の削減など取り巻く環境は厳しく、広域連合について、一部町村からは「まちとして生き残れるかの瀬戸際。現実性はない」との声が聞こえる。しかし、十勝全体の観点に立った地域づくりを考える契機、特例法以後を見据えた大合併への1ステップとして、枠組み論議と平行で、もっと検討されてもいいのではないだろうか。(年間キャンペーン取材班)(02.12.13)



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