「特例市」「中核市」

◇大合併で格上の「市」誕生も◇

「1市3町」には周辺反発

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住民の認知度低く

 市町村合併の枠組みによっては、十勝に「一般市」より格上の「市」が誕生する可能性があることを、どれだけ十勝の住民は知らされているだろうか。
 1つには20万人以上の「特例市」、もう1つは30万人以上の「中核市」だ。ところが「役場の職員でも(その中身を)知りませんよ」と、ある町の職員の自戒めいた言葉が、中核、特例市に対する認知度を物語る。
 帯広市の地方分権推進検討委員会が6月にまとめた研究・検討中間報告は「特例市」について触れている。
 「よりきめ細かいまちづくりの推進に一定の効果が期待される」と評価する一方、「特例市への移行自体を目標とするのではなく、どの程度有効な手段になり得るかを見極めるという視点に立って議論することが適切」とした表現にとどまっている。
 特例市誕生のカギとなるのは帯広市17万3030人(2000年国勢調査)と周辺の音更町3万9201人、幕別町2万4276人、芽室町1万7586人の動向だ。

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結び付き強いが…

 「都市計画、ごみ、水道など行政上の結び付きは強い」(山口武敏音更町長)が「1市3町」の合併熱はほとんどないと言ってもいい。
 「これじゃ過疎進行法だ」
 1993年、1市3町が拠点都市整備法の全国指定第1号を受けた時、周辺の町村首長から懸念の声が上がったことに象徴されるよう、1市3町がまとまることに周辺町村の反発が強い。
 その上周辺3町には「帯広市にのみ込まれてしまう」との懸念も見え隠れする。
 芽室町が昨年12月、2002年1月号の広報誌の企画で音更、幕別に3首長の対談を企画、他町に打診、実現しなかった経緯がある。
 「十勝の中核的なマチの首長に21世紀のまちづくりを語ってもらおうと考えた」と安田敦史広報広聴係長。「この中で市町村合併も話題にしようとしていたのですが、『微妙な時期』という理由で実現しなかった」と打ち明ける。
 1市3町が合併した場合、1939・3平方キロメートルと足寄町を約500平方キロメートル上回る。20市町村がまとまり「十勝市」が誕生した場合では、35万7858人で1万831・04平方キロメートル。都府県と比べても新潟県(1万938・82平方キロメートル)に次ぐ大きな面積を持つ市が誕生する。

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千平方キロ以上のマチも

 地元行政、議会関係者には「(十勝市は)面積が広すぎて現実的ではない」との声が強いが、総務省市町村課行政体制整備室の篠原俊博理事官は7日、帯広市内で行われた講演で「今後、合併で1000平方キロを超えるマチが誕生してくるだろう」と予測。「本州の山間部では、面積的には狭いが険しい山に囲まれ、遠回りしなければ移動できないという事情も抱えている。広いと具体的にどんなことが困るのかを伝えてほしい。それらを検討した上で、合併できるのか、できないかを判断してほしい」と呼び掛けた。
 行政関係者には「特例市、中核市自体のくっきりとした利点が見えない」との指摘があるのも事実。しかし、この地域の将来を考える上で、住民への判断材料を与えないまま通り過ぎてしまってもいいのだろうかとの疑問も残る。(年間キャンペーン取材班)(02.12.13)

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 国の市町村合併推進姿勢が強まる中、十勝でも新たな“まちのかたち”の模索が続けられている。年間キャンペーン最終部では、合併優遇措置、合併特例法のタイムリミット(2005年3月末)が迫る中、検討に必要と思われる視点を5回にわたって提示する。



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