十勝の市町村合併 砂川市長に聞く

◇拙速避け、地に足を着けた論議を◇

市民の判断得ながら検討
「十勝市」は選択肢の1つ

 年間キャンペーンで「合併 十勝の思い」を6回にわたって展開した。十勝の自治体は合併するのかどうか。その動向が他町村に影響を与え、1つのかぎを握るとみられる帯広市の砂川敏文市長に、市町村合併に対する考え方、アンケートで提案のあった1市19町村で構成する「十勝市」の可能性について聞いた。(聞き手・近藤政晴、撮影・折原徹也)

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−市町村合併に関して帯広市のスタンスを。

 地方分権の時代、いかに効率的に自治体を運営していくか検討が必要な中、市町村合併は考えていかなければならない課題の中でも最たるもの。住民に目に見える形で情報を提供、判断を得ながら検討を進めていきたい。

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「合併はまちづくり全体で考えていかなければならない問題」と語る砂川市長

−合併は必要と考えるか。

 合併してもしなくても、自治体の財政が厳しくなるのは目に見えている。財政問題を解決するために合併するというのは、1つの要素ではあるが単純な考え方。それだけがすべてではない。まちづくり全体で考えていかなければならない問題。大きくなればなるほど地方自治の精神が希薄になる。そのかわり今のままでは、これまでのサービスを維持するのは無理な場面も出てくる。住民がどう判断していくかだ。

−帯広は十勝の母都市。十勝全体としてみた場合、この問題に関して、帯広の果たす役割をどう考えているか。

 確かに十勝は人の生活、産業、交通、運輸などでネットワークができ、十勝圏は一体的に発展している。それぞれのまちは相互依存の関係にある。しかし、それが1つの自治体になるべきだとは、ストレートにつながらない。市は十勝全体の発展を常に考えて行動する必要はある。ただ、私は帯広市長。そういうことも視野に入れながら、市民にとってどういう体制が一番よいのかがまず重要となってくると思う。

−町村の一部から市のリーダーシップを求める声や市の消極姿勢を批判する声があるが。

 消極的というのとは違う。そういう発想はない。合併は一般の行政課題とはまた別。前面に出てかえっておかしくなることもある。こういうことはあうんの呼吸。お互いに検討、相談する場面がでてくるし、自然とどんどん進む場合もある。地に足が着いていない議論は拙速にやるべきではない。実際、帯広市は道のパターンのうち、1市3町では事務レベルで、2村とは話し合いをしようと申し入れているが、南十勝で検討している最中で待ってくれといわれている段階。歩調を合わせられるように、内部検討している。

−帯広の規模では合併のメリットはないのか。

 そんなことはない。合併の優遇措置もまだ正確には出ていない状況。国の考えは小規模自治体をできるだけ少なくして行政の効率化を図っていくこと。そういう意味で小規模自治体の方が優遇、メリットは大きいかもしれない。相手など具体的になっていない段階で、抽象的なことしか言えない。行政面積が広すぎると、地域の一体性が失われることもあり得るし、スケールメリットを求めなければならないことも出てくる可能性もある。

−「十勝は1つ」とよくいわれる。「十勝市」はあり得るか。

 可能性としては、排除はしないし、2、3万の規模のまちがいくつもできるより、その方がいいのかもしれない。ただそれも多くの選択肢の中の1つ。合併問題について今、各市町村が検討している段階。今後、議論していけばよい。



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