メリット・デメリット

◇つきまとう見通しの難しさ◇

判断材料…行政の責任重く

 「大きなまちになればよいと思った。だが、帯広という全体の中の一地域としてさびれてしまった。十勝の人は市についた大正がどうなったか、見ていると思う」。市との合併決議時(1956年10月)のことを知る大正地区の住民は、自ちょう気味に話す。

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住民感情のわだかまり

 「清水町は(56年合併した)御影に気を使ってきた。公共施設を造るのも2つ。町財政の悪化はそれが1つの要因。しかし、御影は今、帯広、芽室のベッドタウンとして人口も増加傾向にある。ある意味、町の経済は御影に支えられている」。住民感情のわだかまりが「依然ある」と前置きした上で、清水町の行政関係者はまちの現状をこう説明した。

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住民と行政に距離感

 「行財政の効率化と強化」「職員のレベルアップの向上」。国の財政事情の厳しさ、地方分権の推進をにらみながら、アンケートではメリットとしてこれらの項目を挙げた人が多かった。逆に、デメリットとして、「基盤整備に地域格差が生じる」「地域コミュニティーが薄らぐ」「住民の意見が施策に反映できなくなる」など住民と行政の距離感の拡大を懸念する声が上位を占めた。
 ある町の担当職員は「行政面積が広くなり、広域行政ブロックでの合併検討ではデメリットだけが大きくなってしまう」と漏らす。一方で「今の財政状況では負担増を住民に覚悟してもらわないとやっていけない」と付け加える。
 「判断材料のため、合併した場合のメリット、デメリットを示してほしい」。住民や議会から行政に対してこのような声は多い。だが、なかなか予想はつけづらく、比較する現在のサービスも、財政状況の変化から、継続できるかどうか保証がない。
 芽室町がこのほどまとめた市町村合併問題検討用資料「フューチャー〜このまちの未来」には、道の示した合併パターンに基づいて合併した場合と、しなかった場合のメリット、デメリットが、28の質問項目に分かれ説明されている。「清水・新得との合併なら費用負担増に」(ごみ有料化に伴う住民負担)、「合併により利用の選択肢が増える」(公共施設について)などの見出しが目を引く。だが、「あくまでも現時点で想定される事項、予想される範囲で記載」との前置きがつき、確定表現は避けられている。

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視点の当て方で変化

 「合併の有無について住民の意思を問うことは難しい。個々にメリット、デメリットが相反するケースがある」(芽室町議)。「今なぜ合併かを共有せず、今までのまちづくりの考えで判断を問うことは危険」(池田町議)。メリット、デメリットには見通しの難しさがつきまとい、視点の当て方で変化する側面も否定できない。
 管内自治体の多くは今後、検証結果を基に、住民に対する説明会を予定している。住民に判断材料をどう提示していくか。行政に責任が重くのしかかっている。(年間キャンペーン取材班)(02.9.19)



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