市町村長

◇「わからない」半数…揺れる胸中◇

財政ひっ迫も論議進まず

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「必要」はわずか3人

 「正直、同じ考え(合併は必要)の人がもっといるかと思った。確かに農業を基盤に十勝は裕福。だからこそ、余力のあるうちに十勝全体でどうするかの視点が大事だと思っているのだが」  南十勝のある首長は、市町村合併問題のアンケート結果を見て、首をひねった。「どちらかといえば必要」と答えたのは自身も含めわずか3人だったからだ。
 国の地方交付税減額は十勝の自治体の“首”を徐々に絞めている。先日、帯広商工会議所の会合に招かれた常山誠芽室町長は「この3年間で、地方交付税は10億円減。年間町税収入の約半分に当たる」とし、「人口1万人以下の自治体が将来、生き残っていくのは難しい」と現状を訴えた。安村豊治更別村長は村長室で「小さな自治体ほど、兵糧攻めにあっているようなもの」と過去10年の決算書を示しながら財政状況の厳しさを強調した。

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管内19町村長が出席して開かれている検討会議。次回からブロックの枠を超えた協議に移る(8月27日、中札内で)


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具体的理由見えない

 こうした状況に対し十勝町村会会長の金澤紘一陸別町長は「国、地方の財政問題以外に合併しなければならない理由が具体的に見えてこない。国の財政危機の責任を地方に押し付けている」と不満をぶつける。ただ、一方で、「約3200の自治体を1000程度にする」との国の政策の本気さも感じている。
 そうした状況だが、アンケートでは「どちらかといえば必要ない」7人、「わからない」が10人。「今後の行政需要に対応するため、どのような取り組みが必要か」との問いに対しては「徹底した行政改革」を挙げた人が14人。市町村合併はゼロだった。
 竹中貢上士幌町長は「合併は1つの選択肢だが、それによってすべての市町村に明るい未来が約束されるものではなく、一時的な延命策にすぎない自治体が多くあることも確か」と、合併しても夢を描けない現状を説明した。

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「協議は堂々巡り」

 4月から5つの広域行政圏ごとで協議が始まった十勝町村会の「十勝町村行政のあり方検討会議」。
 「住民に興味があるのは合併後のサービスがどうなるか。今の協議は堂々巡り。まず、将来像がなければ、住民に説明がつかない」(南十勝の首長)。「音更がはっきりものを言ってくれれば、もっと協議が進むのに」(北十勝の担当者)。はた目にはそう進展したようには見えない。
 アンケートでは「必要」「必要ない」のはっきりした答えはなく、半数を占めた「わからない」の回答は検討結果次第といえる。合併と生き残りの間で、揺れる首長の姿が見え隠れする。(年間キャンペーン取材班)(02.9.16)

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年間キャンペーン第4部では、8月に実施したアンケート結果を基に十勝の市町村合併をめぐる現状を追い、6回にわたって紹介する。

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