香川県さぬき市 −下−

◇「さぬき」ブランドで魅力づくり◇

効率化でIT推進も

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関係機関にも変化迫る

 「合併しなければ補助金が削られる。会員は両手を挙げて喜んでいるわけではない」。大川町商工会の永峰伸浩事務局長(63)は複雑な表情を見せた。
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地域の魅力づくりの施策としてさぬき市が整備を進めるCATV網は山間部の農村地域もカバーする

 まちの合併は当然のように関係機関、団体に変化を迫る。県の指導もあり、旧5町の商工会は来年4月、会議所への移行も視野に入れて対等合併する。所在は市役所のある旧志度町。計24人の職員は、半数に減る見込み。会員数は約1600となり、規模を生かした事業展開が期待される半面、事業の取捨選択や職員と会員との距離感の拡大、会費増も懸念。永峰事務局長は「職員と会員の意識改革が必要だ」と強調した。

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職員100人削減、議員半減

 市にとって、合併のメリット、経費削減効果を現実とすることが緊急課題となっている。新市の職員数は市部局と教育委員会、議会事務局で580人。10年間で100人を削減する方針で、「毎年、退職者の半数のみ補充する」(松原典士総務部長)。市議も同じで、現議員数は県会議員より多い66人。来年改選され、定数は半数以下となる。
 一方で重複する施設については統合の見通しが立っていない。利用者の利便性を考え、当面は現状のまま維持するしかない実情だが、温泉施設などいくつも同じような施設を維持できるほど新市に余裕はない。「施設にかかわる職員を臨時職員とするほか、民間への委託を検討する」(同)と頭の痛い課題として積み残っている。

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CATV網を拡大

 全国ブランドとなっている「さぬき」の名を冠した市が目指すのは、人が集まり、交付税に頼らないまちだ。
 松原総務部長は「ブランドを生かした地域の魅力づくりによって企業や人を呼び込むことができる」と強調する。中核都市としての存在感や知名度を生かしたPRで企業誘致を図る。さらに、効率化による財政基盤強化で、独自事業の実施が可能となった。現在3町で整備されているCATV(ケーブルテレビ)網を全域に拡大、より広域的な情報受発信や、公共施設の情報ネットワーク化、健康医療支援体制を構築して「IT都市」の実現を進める。
 市内の工業団地「高松東ファクトリーパーク」、大規模宅地分譲地「オレンジタウン」は、不況のあおりを受け、これまで企業進出、宅地分譲とも低調だった。魅力ある都市として新たな道を切り開いていけるか。両分譲の動向が、合併効果をはかる1つの試金石になっているのを感じた。 (古川雄介)(02.7.6)


 <メモ>「高松東ファクトリーパーク」は旧長尾町にある80ヘクタール(16区画)の工業団地。事業主体は香川県。2001年春に造成が完了したが現在も10区画以上が売れ残っている。旧志度町、旧長尾町にまたがる「オレンジタウン」は700区画と四国最大規模の宅地分譲地。JR四国グループが98年から分譲開始した。


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