高速道路整備


求められる地域の決断と行動

中央の理解へ戦略見えず


◆−−−−−−−◆

「地域が主体的に」

 「これまでのように地域が黙っていても『国が何とかしてくれるだろう』ということはない。高速道路をめぐる議論はここ1、2年で答えが出る。状況によっては『どこまでつくるのか』といった優先性や負担の在り方について、地域が主体的にスタンスを示す必要性がある」
 高速道路に対する地元の熱意を中央に示そうと、2月に市内で初めて開かれたシンポジウム。500人の聴衆を前に、室蘭工業大学の田村亨助教授は、道東道(道横断自動車道)整備に向けた地域の決断と行動を求めた。

◆−−−−−−−◆

進ちょくに不安

phot

構造改革議論で整備の行方が心配されている道東道。地域の具体的なアクションが求められている

 国の構造改革で地方の高速道路整備の行方が混とんとしている。札幌までつながっていない状況の中、中央の一部論調で「車の走らない無駄な高速道路」として非難された道東道の整備の行方を、危ぐする声も出ている。採算性や費用対効果が声高に語られる中央に、安全性や自立手段としての必要性、食料輸送、観光振興といった地域の声は、届いていないのが現状だ。
 2002年度の道東道の建設費は135億円で前年度より3億円の微減。道縦貫自動車道を含む全体額(402億円)の対前年度比(85億円、17%減)と比べれば小幅だったものの、事業量の圧縮など今後の進ちょくに不安が伴う。
 加えて市町村財政の厳しさは高速ネットワークの推進に微妙な影を落としている。高速道路ではないが、3月上旬には、忠類村議会が高規格幹線道路帯広広尾自動車道に対し、建設計画の見直しを求めた決議文を可決。オール十勝で取り組んできた周辺市町村に衝撃を与えた。

◆−−−−−−−◆

活用ビジョン必要

 毎年の予算要望で道東道の整備は常に重点項目に並んでいるが、道路の必要性や完成後の地域像が語られることは少なかった。自民党の道路部会に参加したことのある「十勝21の会」の石原由美子座長は、「道東全体でこの道路をどう活用していくのか、明確なビジョンを打ち出していかないと先は見えてこない」と強調する。
 十勝スカイロード利用促進期成会会長の岩野洋一帯広商工会議所会頭は「もう一度、地域で高速ネットワークの必要性を認識し、強く訴えていく」と力を込める。しかし、中央に理解してもらうための戦略をどう立て、実行に移していくか。危機感が渦巻く今も道筋は見えず、「(中央の)高速道路をめぐる議論のスピードに追いついていない」(田村助教授)のが実情だ。
 構造改革で、地域間競争は、ますます厳しさを増す。「国がなんとかしてくれる」との甘えからどう地域が脱却できるか。高速道路への取り組みは1つの試金石となっている。(金澤航)(おわり)(02.4.3)


|5| index

HOME