雇用対策


働き口なく小さな町苦戦

民間支援、臨職転換で対応


 「働きたいが、働き口はない。どうしたらよいか見当も付かない」
 新得町内の定年間近の50代男性(団体職員)は退職後の再雇用に不安を隠せない。「年金受給までは働きたい」と思うが、事業所数が少ない町では再雇用もままならない。全国的な失業率の高まりの中、ほかの地域に出ても雇用の見込みがないのが現状だ。

◆−−−−−−−◆

新得で奨励金制度

phot

雇用対策は各自治体でも頭の痛い問題。帯広職安にも訪れる人が多くなっている

 町内では昨年、木材関連事業所、誘致企業の縫製工場が相次ぎ閉鎖し、50人規模の従業員が職を失った。このうち町内従業員の再雇用は4分の1程度にとどまり、雇用情勢の厳しさを浮き彫りにした。
 「(深刻なデフレ不況で)民間企業のリストラが相次ぎ、雇用情勢は窮地に立っている。町独自で支援策を講じていきたい」(斉藤敏雄町長)。町は新年度の予算編成に当たり、雇用促進を重点にした新たな奨励金制度を打ち出した。町内の求人者を雇用した場合、1人月額6万円を半年間にわたり補助するものだ。だが、企業の反応はいまひとつで引き合いはまだない。
 町はここ数年、交付税の削減を見据えながら雇用促進、産業創出を重点に予算を手厚く充当してきた。「雇用促進や産業支援は定住対策に直接結び付く」との位置付けからだ。
 斉藤町長は「長期的視野に立って雇用対策を講じなければ小さな町では効果は続かない」と言い切る。新年度から10年にわたる「サホロリゾート」への年5000万円の支援も、観光振興に加え雇用確保の観点から打ち出した。

◆−−−−−−−◆

鹿追、再任用見送り

 鹿追町は多くの自治体が役場職員の再任用制度を導入する中、議会への提案自体を見送り、国の方針に反旗を翻した。吉田弘志町長は「国から(提案しないことによる)ペナルティーがあるとすればそれは本末転倒。地方には地方の事情がある」と力説する。
 鹿追でも今、雇用創出の決定打はない。少ない枠は自衛隊退職者か新規就職者の優先が原則だ。吉田町長は「自衛隊の退職者が他町に離れるのを防ぐのも大事な手段。その一つが退職自衛官の地元への就職」(昨年3月定例会答弁)と強調。役場でも96−2000年まで15人が再就職した状況をみても、再任用制度など国の一律の方針を相入れない地元の理由がある。

◆−−−−−−−◆

職員増やせない

 管内町村の多くは「従来、不況下の雇用は役場採用が受け皿になっていたが、交付税の激減で人件費の抑制が迫れられ、職員を増やすわけにはいかない。行き着くのは民間への支援と、臨時職員への転換」(斉藤町長)とジレンマを抱える。
 雇用確保は地方にとってずしりと重い課題としてのしかかる。(道下恵次)(02.4.2)

<メモ>
昨年12月の国内完全失業率は5・6%。1月の有効求人倍率は0・51倍。十勝管内では帯広公共職業安定所の調べで1月の有効求人倍率が0・56倍で離職者は1308人に上る。


|4| index

HOME