地方交付税の削減・下


体質改善迫る“外圧”に

“貯金”崩し、給与カット


 「このままでは03年度以降の予算が組めなくなる」

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“聖域”に踏み込む

 予算編成の段階で、厳しい財政見通しを突きつけられた池田町の勝井勝丸町長は“聖域”である職員基本給カットに踏み込むことを決断する。ちょうど皇太子さまが同町を訪れた前後の1月下旬のころだった。
 各自治体は交付税の落ち込みを予測。「流動的要素が強いものを歳入に見込むのは、予算に穴を開ける危険性があるため」(十勝支庁振興課市町村係)、マチの“貯金”をおろし、財源に充てている。この“つなぎ財源”の多寡が、自治体の予算編成に影響を与えた。

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先細りする基金

 新年度予算で池田町は地方交付税削減の影響を1億6867万9000円の減収と見込み、歳入不足を補うため、財政調整基金、減債基金合わせて3億7600万円を取り崩して対応。両基金残高は02年度末で2億2400万円にまで先細りする見通しだ。
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自主財源に乏しい自治体。将来財政の見通しに不透明さも強まっている

 「基金がないのは、町が下水道整備や産業振興に力を入れてきた、仕事をした結果。でも基金が豊富にあれば、事務事業の見直しを進め、体質改善を図る時間が取れるのだが…」
 職員組合との交渉の結果、職員の基本給3%削減など、管理職、特別職の報酬カットを含め、約1億円の人件費を削減。さらに約5億円が想定されるJR池田駅の歩道橋事業着手の再延期へと進んでいく。
 22日にまとまった十勝支庁管内市町村行財政検討会議の検討報告書の仮定通り、10年度の地方交付税が2000年度比20%削減されると、例えば30億円の交付税収入がある自治体は10年間で6億円、単年度6000万円の経費削減に迫られる計算になる。
 自治体の自立の条件は「徹底した事務事業の洗い出しと見直しにより、簡素・効率化に努め、行政コストを少なくすること」(同支庁)と答えはシンプルだが、実行には相当な困難さが伴う。

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自主財源を探る

 一方、自主財源を増やすという道もある。「国の財政方針によって振り回されずに、自主財源確保強化をどう考えているのか。例えば管内の一部町村(帯広市、広尾町、池田町)で導入している都市計画税を徴収してはどうか」。今月中旬の音更町議会の予算審議。相次ぐ削減論議に対し、議員からこんな意見が出た。
 2000年度決算で自治体収入のうち地方税の占める割合は帯広市26・7%、音更町19・4%など、10市町村が2ケタに達しているが、その一方で半分は1ケタにとどまり、新税導入も大きな増収効果は見込めないのが現状だ。
 自主財源の確保が困難な中、交付税削減は素早い体質改善を迫る“外圧”となっている。(井上猛)(02.3.28)


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