広がる川の仲間たち(6)

ミレニアムの姿次世代に


★多摩川センター(下)★

住民・専門家参加し展開

「記念すべき2000年に住民の目で見た多摩川の姿を記録し、次の世代に伝えたい」  1997年6月、多摩川センター(事務所・東京都国分寺市)の横山十四男代表(74)が仲間たちに呼び掛け、ミレニアム(千年紀)イベントを企画した。それが「西暦2000年の多摩川を記録する運動」だ。

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12月に多摩川センターで開かれた「西暦2000年の多摩川を記録する運動」の実行委員会

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同運動は、多摩川の姿を写真、文章、データなどで記録しようとするもの。住民参加型と専門家参加型の両面から展開し、住民参加型では、多摩川周辺の風景を住民の手で写真やビデオ、スケッチ、CDなどに収める考え。多摩川の生物を記した記録集の制作、水質調査なども予定されている。専門家参加型には、多摩川に住む生物をまとめた「生き物マップ」や、多摩川の達人やNPOを紹介する「人物図鑑」の作製などが盛り込まれている。

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運動は、2000年1月23日に行われる「第1回住民参加型一斉調査」で実質的にスタートを切る。この調査は、多摩川の両岸を1キロメートル単位の128ポイントに分け、参加者たちが同時刻に写真撮影と川利用実態調査、カワウ(水鳥の一種)の調査を行う内容だ。写真撮影は、午前11時−午後1時の間に一斉に行われ、参加者たちが川の周囲360度の光景と水辺を撮影。利用実態調査は、スポーツや散歩など実施時間内に多摩川で過ごしている人の目的を用紙に記録する。
このような一斉調査は季節ごとに年4回行う計画。同実行委員会では、これまでに3回のプレイベント(予行実験)を実施している。横山代表は「PR不足か参加者数はそれほど多くはなかったが、反応はあった。2000年の第1回は“2千人”に集まってもらいたい」と話す。
昨年12月21日、同センターで実行委員会が開かれ、8人の委員が最終打ち合わせをした。委員たちは「だれが来ても参加できるような調査内容にするべきだ」「流域によって周辺環境が違うので、人員配置にも工夫を」などと意見を出し合い、調査用紙の形式や当日の役割分担を確認した。各ポイントには多摩川に詳しい人物を配置し、密に連携を取り合って調査を進めることを決めた。
4回のイベント終了後は、何らかの形でそれぞれの調査結果を比較する方針。委員の一人である山道省三多摩川センター副代表は「具体的な方法は今後決めることになるが、次の世代にきちんと生かされるような使い方をしたい」と言葉に力を込めた。

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「この運動を通じて、川や周辺の環境に関心を持ってもらいたい」。横山代表の願いは一つだ。「新たな記録の方法を考えるのもいいし、ほかの河川に運動を広げていくのもよいだろう。このイベントが刺激になって、川にかかわる人が増えてくれれば」。ミレニアムを迎え、人々の意識も“将来の多摩川”へとつながっていくことが期待されている。
(年間キャンペーン取材班=池田有紀)(00.1.8)



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