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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】日本財団 尾形武寿理事長

  • 2017年10月24日 13時00分



終末期医療 看護師が主役
27、28日 十勝で初の研修会

 日本財団(東京)は末期がん患者などへの終末期医療に対応するホスピスナースの養成に力を入れている。2002年から全国各地で開く研修会は2000人以上が受講した。27、28の両日に十勝と札幌で予定する研修会には、全国からの59人が心のケアや地域医療について学ぶ。万人に訪れる「死」への向き合い方、寄り添い方が問われる中、尾形武寿理事長(72)に十勝では初開催となる研修の意義や期待を聞いた。

<おがた・たけじゅ>
 1944年生まれ。東京農業大学卒。総務部長、常務理事などを経て、2005年から日本財団理事長。

 -研修を始めた経緯は。
 1980年代に日本財団初代会長の笹川良一が、英国・ロンドン郊外のホスピスを視察し、末期がん患者が心穏やかに暮らす様子に感銘を受けた。当時は延命治療優先でがん告知もしていない時代。私自身も父が息を引き取る前、「自宅に帰りたい」という願いに応じられずに、申し訳ない思いを持ち続けていた。

98年から認定支援
 ホスピスの草分け的存在の故日野原重明さん(聖路加国際病院名誉院長)の協力も得て、93年に神奈川県中井町に日本初の独立型ホスピスを設置した。「治療に手を尽くす」という医療とは考えが異なり、携わる人材の養成が急務だった。98年から看護師の認定制度への支援を始め、2013年度までに3692人を養成した。認定者増加と社会的に終末期医療への理解が深まったことを受け、02年から養成したナース向け研修会を始めた。

 -研修を北海道・十勝で開くことになった。意義と期待を。
 研修会は毎年東京と地方で年2回開き、通算20回・延べ2176人が受けた。看護師は医師の補助的存在と捉えられがちだが、自立して患者に対する「起業家」としての意識と立場が必要。日本財団はこうした独立して活動する看護師がつくる「在宅看護センター」の設置を支援している。4月に音更町内に道内初の「在宅看護センターちせ訪問看護ステーション」が開設され、今回、十勝での研修が実現した。

都内で開かれた日本財団のホスピスナース研修会(3月、笹川記念保健協力財団提供)

どう死ぬか考える
 医学と診断技術の進歩で、今後、がんの治療法は画期的に変わり、在宅看護の必要性が増し、その在り方も問われるだろう。超高齢社会で老老介護などの社会問題が深刻化し、「どう死ぬか」は誰もが考えなければならない。「終活」の言葉が浸透する今、医療従事者として、どう死に向き合うかを考えてほしい。

 -今後の財団活動の展望を。
 ▽高齢化社会対応▽子ども福祉▽障害者支援▽自然災害への対応-の4本柱に力を入れていく。特に子どもを取り巻く環境は、貧困だけでなく、児童養護施設出身者の自立、小児難病、虐待など多岐にわたる。昨年は北海道も大きな台風被害に見舞われたが、「忘れた頃」ではなく頻発する自然災害への備えと、被災地支援に引き続き取り組みたい。(原山知寿子)

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