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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】日本食レストラン海外普及推進機構 福田久雄専務理事

  • 2017年8月15日 13時05分



十勝の農作物 海外展開の好機
日本食レストラン急増「オールジャパンの中で存在感を」

 和食のユネスコ世界遺産認定などを追い風に、日本食のレストランが海外で急増している。日本産農畜水産物への関心アップや取引増が期待でき、食料基地・十勝にとって海外展開のチャンスともいえる。NPO法人日本食レストラン海外普及推進機構(JRO、島村宜伸会長)は、こうした海外での日本食レストラン出店支援と日本食の魅力の普及推進に取り組み、今年設立10周年を迎えた。6月の総会で専務理事に就任し、海外貿易事情にも詳しい福田久雄氏(54)に、活動内容や今後の展望を聞いた。

<ふくだ・ひさお>
 1963年東京都出身。米国アイオワ州コーネル大学卒。米国大使館農務部首席政策顧問などを経て、6月から現職。日米貿易交渉に長く携わり、米国の農業・通商部門にも精通する。

 -海外での日本食レストランの営業状況と機構の活動紹介を。
 2006年当時は2万4000店程度だったが、最近では9万店ともいわれ、急激に増えている。同時に、06年時点の日本の農産物の輸出額4490億円に対して、16年には7500億円に達し、出店加速が、日本食材の普及につながっていると受け止める。外食を第1段階に、総菜、そして家庭での調理-という次の段階に進めていきたい。

 機構は活動に賛同する世界のレストランを支部として拠点化し、日本食への理解や調理技術向上と普及活動を展開している。農林水産省の委託を受けて実施する調理技能認定制度は、アメリカの有名料理学校などの学生を対象に、これまで約90人が認証された。衛生面や心構えも含めて日本食を理解、実践する内容で、地道だが続けたい。

 「日本食」の定義は人によってさまざまだが、機構では懐石料理など範囲を限定せずに普及を進めている。多様化する食文化の中、“横串”として「日本」をつなぐキーワードが、「うま味」と考える。日本の調味料メーカーの協力を得て、海外でだしの取り方を実演したこともある。日本政府は農畜水産物輸出1兆円を掲げており、外食の切り口から後押ししたい。

イタリア・ミラノ万博でJROが運営支援した日本館のフードコート。そばなどが人気を集めた(2015年5月)

自己評価低い十勝
 -食と農業に力を入れる北海道・十勝の海外展開の可能性をどう見るか。
 十勝ブランドはアジアを中心に海外で認知されているが、ブランド力を過小に自己評価していると感じる。同時に、単独ではなくオールジャパンの売り込みの中で、どう地域としての存在感、シェアを高めていくかの視点を持つべきだ。日・欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)やTPP(環太平洋連携協定)11など貿易交渉が流動化しており、10年単位の中長期戦略が必要と考える。

 また、国際市場進出には検疫が高いハードルになる。15年のイタリア・ミラノ万博の日本館で日本食のフードコートを運営した。機構理事の紺野和成日本政策金融公庫帯広支店長(当時は千葉支店長)の尽力で、EU圏内で初の日本産豚肉の輸出に成功したが、貿易業務の難しさを痛感した。国際認証、規格取得への対応も欠かせない。

産地と関係構築を
 -今後、機構の取り組みをどう発展させるか。
 食関連市場の規模は09年の340兆円から、20年には倍増するとの予測もある。国・地域別では人口規模で圧倒的な中国を軸に、アジアを主要ターゲットとしているが、食文化が成熟するアメリカや欧米も可能性があると考える。情報収集と戦略的マーケティングを続け、効果的な市場開拓を図りたい。

 関係する外食産業団体の日本フードサービス協会が、06年と13年に十勝で産地見学交流会を開催した。大手外食チェーンの経営者が生産現場で理解を深め、生産者の生の声を聞き交流することで、商談や取引に発展した。十勝はもちろん、産地と「顔の見える」関係を構築し、日本の食材を活用した日本の食を、世界に向けてPRしたい。
(聞き手・東京支社長竹内徹)

<日本食レストラン海外普及推進機構>
 日本食レストラン海外普及推進機構 日本の食を世界に発信し、海外市場の開拓と現地店舗の支援を目的に活動。外食企業など約110社・人が会員として加入する。世界各地で日本食調理講習や日本食材マッチングフェアなどを開き、日本食の魅力発信と普及を推進する。

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