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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】北海道開発局 今日出人局長

  • 2017年1月20日 12時01分



日勝峠、秋開通へ急ピッチ
土再生に協力 「生産空間」守る

 昨夏の一連の台風は、十勝にかつてない甚大な被害をもたらした。道路、河川、橋梁(きょうりょう)など国が管理する各所の被害も大きく、北海道開発局も厳しい対応を迫られた。今後もこうした自然災害が起きないとも限らず、災害を想定した新たな基盤整備が求められる。今後の防災対策などについて北海道開発局の今日出人局長(58)に聞いた。
(聞き手・札幌支社長 脇坂篤直)

<こん・ひでと>
 1958年札幌市生まれ。北大大学院工学研究科修了後の84年に北海道開発局に入局。国土交通省北海道局水政課長、北海道開発局開発監理部次長、同事業振興部長を経て2016年6月から現職。

 -台風の影響で国道も大きな被害を受け、十勝-札幌間が長期に不通となった。
 1シーズンに3つの台風が上陸し、その後も大雨の影響があった直後は十勝に通じる国道が通れなくなり、帯広-札幌間の約200キロは旭川紋別道を使って2倍以上の距離を迂回(うかい)せざるを得ない状況に陥った。十勝が孤立してしまったため、道開発局からネクスコ東日本にお願いして高速道路(道東道)を代替路として早期に通してもらった。

 農地も市街地も洪水に見舞われ、畑は表土が流出。農業王国である十勝に大きな被害が出た。関係機関と協議し、河道掘削土を利用して農地の復旧支援に努めている。おととしは史上最高の豊作だった十勝だが、何とか復旧できるよう、全力を挙げたい。国道274号日勝峠については、冬季に入っているが、秋までに何とか開通するべく急ピッチで工事を進めている。

気候変動踏まえ河川整備を検討
 -今後の防災対策については。
 新しい北海道総合開発計画は「世界の北海道」がキャッチフレーズで、食と観光面からの地域づくりを進めていくことでスタートしたばかり。新計画には、安全・安心、国土強靱(きょうじん)化についても施策が盛り込まれているが、今回の災害で「最低限の安全を確保しないと大変なことになる」と改めて認識した。道路では地域が孤立しないよう、どう代替路を確保するかという点を重視して整備していきたい。

 河川でいうと気候変動を踏まえた今後の整備・管理の在り方を検討していく。また、「生産空間」を守っていくことが非常に重要であることから、畑の土を改めて作っていくことに協力していきたい。農地がダメージを受けると、生産力の回復に時間がかかる。最低限の安全性をどこに持つべきかを考え直し、計画を実施していきたい。食の安全性という観点から、北海道農業の中心になる十勝は大事な地域だ。

崩落現場で復旧工事が進む国道274号(日高管内日高町千栄地区)

 -インバウンド(訪日外国人旅行者)の受け入れへの整備も進められているが。
 インバウンドがたくさん北海道に来ることによって地域経済にも寄与する。ソフト面の施策もやっており、例えば道路の情報板では英語表記に対応し、他県にはない北海道ならではの取り組みなどを進めている。インバウンドのレンタカー利用がどんどん増えていることから、外国語によるさまざまな情報を発信していきたい。

 -公共施設インフラの老朽化の問題も指摘されている。
 高度経済成長時代に作ったものがみんな傷んできており、老朽化対策や耐震対策が必要。北海道は道路整備が遅れており、老朽化対策の推進予算を確保するのも大変であるが、必要な対策は進めていかなければならない。

最先端の十勝農業 地域の声聞き応援
 -十勝の印象は。
 学生時代の昭和50年代後半に十勝へ見学旅行に行ったことがある。十勝ダムの本体盛立工事など、いろいろな工事が進んでいるところを見たが、なんと言っても雄大なスケール感が印象に残っている。そして新しい取り組みをする人がたくさんいてとても元気なイメージがある。

 -十勝の読者にメッセージを。
 十勝にはナガイモ、枝豆、スイーツといった特産品があり、また、周遊観光のルートとなり得る北海道ガーデン街道の形成などいろいろな魅力ある取り組みがされている。これからも北海道を引っ張っていく地域だと思う。そうした中で基盤整備も必要という声があるので、地域の声を聞きながら日本の農業の最先端地でもある十勝を応援していきたい。

観光特集(勝毎電子版)
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