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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】北海道観光振興機構 堰八義博会長

  • 2017年1月1日 9時00分



観光先進国形成けん引
十勝、ジュエリーアイス目玉に

 道内は人口減少と少子高齢化の進行が他県よりも早いと言われる半面、北海道新幹線の開通やインバウンド(訪日外国人旅行者)の増加で北海道観光は飛躍の時期を迎えている。交流人口増加傾向の中で観光施策をどのように展開するか。昨年6月に北海道観光振興機構のトップに就任した堰八義博会長は新年に当たり、振興施策を一歩進める決意を語った。
(聞き手・札幌支社長 脇坂篤直)

<せきはち・よしひろ>
 1955年生まれ。法政大学卒業後の79年に北海道銀行入行。代表取締役執行役員企画管理担当、代表取締役頭取を経て2015年6月から代表取締役会長。16年6月から現職。

国内にも対策
 -就任して半年。観光客誘致と受け入れの態勢の整備についての方針を。
 近藤龍夫前会長からバトンを受け、道内外の関係先へのあいさつ回りを通じ、各方面から「北海道観光は希望の光であり、この分野で日本のリード役になってほしい」との期待感をひしひしと感じた。

 北海道の観光入り込み客数をみると、2015年度は5477万人となり、過去最高だった14年度の5377万人を100万人も上回って好調に推移している。機構発足時の08年が4707万人だったことを考えると、その数は飛躍的に拡大してきている。東日本大震災の際には4612万人まで低下した入り込み客数が4年連続で増加しているが、60万人程度だったインバウンドが200万人を超えたことが好調さの主な要因だ。

 一方、国内入り込み数は前年比で微増にとどまり、特に道外からの観光客はピークの1999年の614万人から37万人ほど減少し577万人となっており、この点は北海道観光の一つの課題だと考えている。

 政府の「観光立国」に向けた取り組みは訪日外国人が今年初めて2000万人を突破し、20年4000万人、30年6000万人という新たな目標の下、世界の「観光先進国」への挑戦が既にスタートしていると感じる。北海道のインバウンドは日本全体のおおむね1割程度で推移。20年には500万人のインバウンド目標が掲げられた北海道にとって「観光」が成長産業のリード役となる時代に突入したと言える。

体験型を持続
 -今年度は五つの事業計画を推進している。その内容は。
 一つ目は、人材育成やサービス向上。

 この事業は一言でいうと「おもてなし」の向上。地域ごとにホスピタリティーの現状把握や満足度調査を行い、ワークショップやセミナーを通じて改善策を検討し、具体的な行動へとつなげていく。

 インバウンド対応では通訳案内士や外国人ガイドの育成、資格取得のための研修会などを実施している。当機構は「広域連携DMO(観光振興を官民一体で進める地域組織)候補法人」に認定されているが、地域のDMOを支援したり、連携することも事業の一つだ。

 二つ目は、地域観光活性化に向けた商品開発。

 市町村の観光協会や複数で連携を組んだ広域協議会などが食や地域の産業、歴史、文化などを活用した新しい観光商品の造成に取り組むプロジェクトを、資金面の補助や開発のコーディネートを支援する事業として実施している。最近注目が高まる体験型観光のPR活動のほか、ガイドやインストラクターの確保を図り、体験型の持続的な発展を目指している。

 三つ目は、国内外での観光プロモーションの推進。

 今年度は東京有楽町に常設の情報発信の場所となる「どさんこ旅サロン」を新たに開設した。道内179市町村のパンフレットや道内旅行情報誌などを手に取ることができ、2人の専門スタッフも常駐している。

 海外プロモーションでは成長著しい東南アジアの市場での誘客拡大が中心となるが、新たに欧米なども視野に入れて活動している。「パウダースノー」に代表される北海道のスキーリゾートは世界的な評価が高まっており、アジアや欧米へもスキープロモーションを実施している。

 四つ目は、北海道新幹線開業効果を全道に波及するための事業。

 新幹線で函館に来る利用客が道南から道央、さらに道東・道北へといった大きな流れにまでは至っていないが、新幹線開業というPR効果は北海道観光情報の露出機会の増加につながっている。新幹線と空路を絡めた周遊観光への感心も高くなっており、新しい観光素材として新幹線効果を全道に波及させていくつもりだ。

 五つ目は、道央と道東・道北をつなぐ広域観光周遊ルートの交通対策事業。

 今年度から、道央と道東・道北をつなぐ広域観光周遊ルートの2次交通対策事業を実施しており、「ひがし北海道周遊観光バス」は多くの方々に利用してもらい外国人にも好評を得ている。

 機構では、道予算を活用して、層雲峡温泉を経由するノースライナーの実証運行をしている。広域観光周遊ルートを交通対策として、国(北海道運輸局)が行う、十勝川温泉を経由するサウスライナーを含め、2系統の実証運行を行っている。

ガーデンと食
 -十勝は広域観光周遊ルートに認定され、北海道ガーデン街道も注目されている。
 十勝は周遊ルート「アジアの宝 悠久の宝 ひがし北海道」の南ルートの札幌から道東へ連なる中継点とし、今後ますます観光地として伸びるのではと期待している。すっかり定着した「北海道ガーデン街道」と、十勝の豊富な「食」を結び付けるため、定期観光バス「秋の満腹とかち号」が運行され新しいルートとして提案されている。

 もう一つ、十勝の冬観光の目玉として期待しているのが、十勝川河口で真冬に見られる十勝川の氷「ジュエリーアイス」だ。2、3年前から写真家たちの口コミで広がり、新たな観光素材としての期待が膨らんでいる。いずれも何らかの形で機構も参画しながら応援していきたい。

(1)ジュエリー・アイス
豊頃町大津の十勝川河口の太平洋岸に打ち上げられた十勝川の氷の塊。日光を浴びて輝く氷は神秘的。1月下旬から2月下旬まで見られる。

(2)北海道ガーデン
街道大雪森のガーデンや富良野の風のガーデン、清水町の十勝千年の森など北海道を代表する八つのガーデンが集中している大雪-富良野-十勝を結ぶ全長約250キロの街道。ひがし北海道の広域観光周遊ルートにも位置付けられ、個性的な各種ガーデンを巡るツアーが外国人観光客などの人気を集めている。

(3)北海道新幹線
2016年3月に開業。同機構によると、青森-函館間を利用した来道者は在来線比較で約80%増、16年上半期合計で72万6000人を道内に招き入れた。航空機利用による来道者も堅調に推移し、年間60万人を超える来道者が単純増加する可能性があるとしている。

<インバウンド>
 中国、台湾、香港、タイ、韓国などのアジアからの観光客が増加傾向。同機構によると、1人当たりの観光消費額が大きい外国人旅行客の増加は単純計算でも3000億円規模に達しており、道内経済の底上げに寄与している。

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