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【TPP~戦えるのか十勝~政策大綱決定】(中)財源確保に不安

  • 2015年11月27日 12時52分

支援 具体性欠く
 「(大綱は)環太平洋連携協定(TPP)と関係なく、農業が発展するために必要なもの。予算に権限を持つ政府がしっかり財源を確保してほしい。確保されなければただの選挙対策と言われるだろう」

 上士幌町で約50ヘクタールを経営する全十勝地区農民連盟の西原正行委員長は、TPPに対する政府の関連政策大綱をこう評価する。

◇畑作へ対策継続性求める
 大綱に盛り込まれた十勝など畑作主要地帯を想定した「産地パワーアップ事業」は、畑作4品(小麦、ビート、ジャガイモ、豆類)など農業の規模拡大、省力化などを総合的に支援する。地域の関係事業者が連携し、高収益化を目指す畜産クラスター(2014年度~)の畑作版とも位置付けられるが、その中身はまだ不明な部分も多い。

 原資となる実質関税(マークアップ)が削減された小麦の補助制度も、大綱では「着実に実施」とされたが、350億円近く減る財源確保に不透明さも残る。

 TPPの発効は早くても2年後とみられる。西原委員長は「TPPの影響は長期にわたる。(自然相手の)農業は2、3年では見極められず、TPPの影響も不明な部分が多い。その都度きめ細かな対応が必要」と求める。

 牛肉・オレンジが自由化されたガット・ウルグアイラウンド対策(1994~2001年度)では、政府は約6兆円をつぎ込んだ。バブル崩壊後の景気対策で公共事業が膨れ上がっていた時期だったとはいえ、土木工事や施設整備に多くが使われたことは批判の的となった。TPPでも、国が同様の政策を取ったり、農業団体が無理に補助金を引き出そうとしたりすれば国民の理解を得られず、同じ轍(てつ)を踏みかねない。

 25日に帯広市内で開かれ、20~30代の農業青年が参加した十勝地区農協青年部協議会(前多幹夫会長)の大会では、「TPPを乗り越え『夢を実現できる十勝』を創り出す特別決議」が採択された。市内の畑作農家の前多会長(35)は「TPPでは暗くなりがちだが、何とか前を向こうと何度も書き直した」と話す。22日に森山裕農林水産大臣との意見交換にも参加した前多会長は、大筋合意からわずか1カ月半で出された大綱に「意見交換がただのパフォーマンスでなければいいが」と心配する。

◇ガット教訓消費者に近く
 決議では「食育などの青年部活動をさらに活発に行い、消費者との距離を大切にするための新たな事業にチャレンジ」など、消費者との関係を重要視した。

 消費、実需側からもTPPで安定供給が脅かされることに不安を抱き、行動に移した団体もある。全国和菓子協会(東京)は26日、幕別町で大規模な会員和菓子店と農家との交流会を初めて開いた。同協会の関根義彦副会長は「TPP大筋合意の影響が心配されているが、今大切なことは農産物を生産する皆さまと、農産物を原料とする実需者が双方の理解を深め、信頼を育むことにより、安定的な需給関係を構築することだ」と強調した。

 大綱が具体的な対策となるには財源の確保が欠かせず、そのためには国民、消費者の理解が不可欠となりそうだ。(眞尾敦)

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