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【TPP~戦えるのか十勝~政策大綱決定】(上)守りに一定評価

  • 2015年11月26日 13時22分

 TPP関連の政府対策大綱が25日、決定された。大綱が十勝農業の継続的発展を可能とするものか、具体性はあるのか、現場の声から検証した。

有塚会長(右)から説明を受け輸出の取り組みに期待する森山農水相(左)。TPPの具体的対策の行方が注目される(22日、JA帯広かわにし別府事業所)

「攻め」へ具体策を
 「(十勝を訪れた)自民党の地方キャラバンも森山裕農林水産大臣も『今より絶対に悪くしない』と言っていた。政府が恒久的な対策をすると言うのだから、信頼して萎縮することなく生産するしかない。要求はしっかりしながらも、現実と向き合って前向きにならなければ」

◇十勝の要求盛り込まれる
 ナガイモPRのため26日からシンガポールを訪れている十勝地区農協組合長会の有塚利宣会長は、25日に決まった政府の環太平洋連携協定(TPP)関連の政策大綱に一定の評価を示した。十勝など畑作中心地の「産地パワーアップ事業」や肉牛生産の赤字補填(ほてん)法制化など、十勝が要求していた内容が大綱にはおおむね盛り込まれた。ただ、有塚会長は「実際はこれから」と、まだ見えない具体策の行方を注視する。

 11月はTPP対策策定のため、自民党のキャラバン(7日)、森山農水相(21、22日)が来勝。森山農水相は「前向きな話を聞かせていただきありがたかった」と話すなど、他地域に比べTPPに「戦う」姿勢を見せる十勝を評価。8JAで生産する「十勝川西長いも」について「輸出戦略で成功している例。拡大していく強い意欲を持っており、政府としてできるだけ手伝いたい」と述べた。

 大綱にも農水産物や食品の輸出額を2020年に1兆円とする目標を「前倒し」することが盛り込まれた。原発事故の影響で一時落ち込んだ農水産物の輸出だが、14年度は前年比11%増の6117億円まで増加。ただナガイモや牛肉を含め農畜産物は工業製品と違い急激な増産が難しく、どうしたら前倒しできるのか具体策は見えない。

◇輸出1兆円急増産は困難
 管内30団体でつくるTPP問題を考える十勝管内関係団体連絡協議会の高橋正夫会長(十勝町村会会長)は大綱について「全体の姿は現れたが、具体的に何もない。農業は大丈夫と(政府は)言うが、みんな不安に思っている。強い農業、輸出と言葉で言うのは簡単だが、しっかり持続できるような政策を」と求める。

 大綱には「守り」の施策として、これまで予算措置だった肉牛や豚の赤字補填の仕組みを恒久化するよう法整備し、補填割合を8割から9割に引き上げることを盛り込んだ。森山農水相も小麦など畑作の補助制度について「(実質関税削減で)減った財源を確保する。財務省の理解をいただき、心配がないよう対応したい」と強調した。

 ただ、TPPが発効すれば約1000億円とされる牛肉関税収入は4分の1近くに、約800億円とされる小麦の関税収入も半分近くに落ち込んで、計1000億円以上の財源が別に必要になる。国が厳しい財政運営を迫られる中、大綱が来夏の参院選対策としての「絵に描いた餅」で終わるのか、実効性ある対策となるか、地元関係者は注視している。(眞尾敦、小林祐己)

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