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【TPP十勝への影響は?】~畑作編~「価格競合 試される国産の質」

  • 2015年10月23日 14時37分

■小麦
輸入差益、45%削減へ

 実質的な関税に当たる輸入差益(マークアップ)が、環太平洋連携協定(TPP)発効時から9年目まで段階的に45%削減される。

 小麦は政府が一括して輸入し、製粉会社などに売り渡す国家貿易を行っており、TPP後も維持されることから、無秩序に輸入麦が流入することはない。

 ただ、マークアップ削減で輸入小麦の価格は下がる。今年10月現在の政府の小麦売り渡し価格は1トン5万6640円、国産小麦は主力の品種で5万円前後。

 銘柄などによって異なるが、単純にマークアップ分の1トン約1万7000円を引くと、5万円を切って、国産麦と同程度か安くなる。

 近年は世界的な穀物価格の高騰や円安で輸入価格が上がり、品種改良もあって国産人気が高まっている。TPP後は消費者の選択や国産の質が試されることになる。

 加工品でもマカロニやスパゲティの関税が9年目までに60%削減される。輸入が最も多いイタリアはTPPに含まれず、国産小麦はうどん用が多く、こうした商品に使われる強力系の国産小麦は少ないが、近年は新品種も登場しているため、競争力をそがれる可能性もある。

 消費者にとっては小麦関連製品が安くなる利点がある半面、2011年にパンの消費額が米を上回るなどの状況から、さらに小麦製品の消費が増えて食生活が変わり、食料自給率が下がる恐れもある。

 十勝の生産者にとっては、マークアップを原資とする補助金が維持されるかどうかが今後の焦点となる。

■甘味資源作物(砂糖)
加糖調整品拡大

 ほぼ現行制度を維持。加糖調整品(加工品)は品目ごとにTPP枠を設定して輸入拡大する。砂糖含有量の多い物が砂糖の代わりに使われる懸念があるが、農水省は「品目ごとに輸入枠を小さくしたり、関税率を(高く)とどめたりするなど工夫した」とする。

■小豆など雑豆
輸入量は維持
   
 小豆など雑豆は現行の低関税輸入枠(関税割当)の輸入量は維持。枠内の関税は撤廃されるが、低価格の豆類が大量に出回る可能性は低く、中国産がカナダなどTPP参加国産に置き換わっていく可能性はある。

■ジャガイモ
輸入量増少ない 
 
 生ジャガイモは即時、加工用は6年目に関税撤廃する。ただ、植物防疫法で生のジャガイモの輸入は禁止されており、一部ポテトチップ用など国内産が足りない場合のみ認められる。メーカーや消費者の国産志向も強く、輸入量の増加は少ないとみられる。

■生鮮野菜
価格へ影響軽微 
    
 タマネギは1キロ73・7円以下で6年目に関税撤廃。ニンジン、レタス、ネギなど生鮮野菜は3%の関税を即時撤廃。流通関係者によると3%では為替などに比べ価格への影響力は少ないという。消費者の新鮮な国産を求める傾向も強いが、一部加工用などで輸入に置き換わっていく可能性も。

■その他
ナガイモ5年で

 十勝から輸出されているナガイモは米国が課す6・4%の関税が5年目に撤廃となる。(眞尾敦、おわり)

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