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【TPP十勝への影響は?】~畜産編~「輸入拡大 国産肉の価格直撃」

  • 2015年10月21日 13時49分

 環太平洋連携協定(TPP)の大筋合意の全容が20日に明らかになり、十勝農業に影響を及ぼす品目が多く含まれていることが改めて明らかになった。畜産、酪農、畑作に分け、十勝に関わる品目を整理した。(眞尾敦)

■牛肉
10円以上値下がりも

 生鮮・冷蔵・冷凍は現行38.5%の関税を発効1年目に27.5%、10年目に20%、16年目までに9%まで下げる。為替などの影響も大きいが、100グラム200円の牛肉が10円以上値下がりするとみられ、小売りや外食で米・豪産の勢いが増しそうだ。

 1991年に輸入枠を撤廃し、税率を70%から20%引き下げた「牛肉自由化」では、安い牛肉が食べられるようになった半面、国産価格が急落。全国の肉牛農家数が5年間で3割減った。牛肉の自給率も1985年ごろは70%以上だったが、自由化後は40%ほど(飼料自給率を考慮すると10%ほど)に低下しており、TPP後はさらに下がる可能性もある。

 関税削減までの期間は自由化時に比べ長いが、引き下げ率は自由化時の20%に近い。国内生産は自由化を経てある程度強化されているという見方もあるが、国の政策次第ではさらなる再編を迫られる。

 牛内臓肉では、牛タンが現行12.8%を1年目に6.4%に削減、11年目に撤廃。牛タンは97%を輸入に頼っており、有名な仙台でもほとんどが輸入だ。

 国産牛は十勝が主産地の乳用種の雄が多くを占めるが、乳牛に価格の高い和牛や交雑種を産ませることも増え、頭数が不足気味。十勝の焼き肉店では一部国産の牛タンも提供しているが、供給量減少で品切れも起きている。国内生産が減少すれば、さらに国産牛タンは希少な存在になりそう。

 十勝で人気のサガリ(ハラミ)など牛内臓肉も現行12.8%が1年目に6.4%となり、13年目に撤廃。サガリは9割以上が既に輸入で、農水省は「国内産は足りず、影響は少ない」という。ただ、TPPで国産がさらに駆逐されれば、安い輸入肉が食べられる一方、十勝でなじみの国産サガリは希少な“高根の花”となるかもしれない。

 日本からの輸出では、米国が日本産牛肉に対する関税(26.4%)を15年間で撤廃するが、十勝は主産地で肥育牛になる子牛の一大産地のため、和牛輸出が増えれば恩恵がある可能性はある。ただ、現在、全国の和牛生産は農家の高齢化や福島第1原発事故による東北産地への被害などで国内需要すら満たせていない。輸出増以前に、国内の生産基盤立て直しが急務だ。

■豚肉
高価格帯10年で撤廃

 低価格帯で関税を大幅に引き下げ、高価格帯は10年目以降に撤廃。ハムやベーコン、ソーセージなど加工品の関税も撤廃され、海外メーカーの商品が小売店や外食で増える可能性もある。十勝の養豚農家は30戸ほどに既に集約され、さらにダメージがあれば、十勝産豚肉の豚丼などがさらに希少になる可能性もある。

■鶏肉
ブラジル含まず影響少ない公算

 11年目に関税撤廃。全輸入量44.2万トン中、TPP参加国からは2.5万トン。輸入の半数以上を占めるブラジルが含まれず、大きな影響はないとの見方もあるが、TPP参加国から輸入がどの程度増えるかは未知数となっている。

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