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【TPP十勝の新戦略~貿易自由化の流れの中で】(6)料理や制度講習会

  • 2014年8月1日 14時12分

「食の安全」をコンセプトに講習会で料理を楽しむ親子ら(コープさっぽろ提供)

食を見る目 養う消費者
 環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加で、安価な外国産食品の流入による食の安全基準低下や健康被害といった影響が懸念される。そんな中、十勝の消費者の間では講習会や勉強会などを通じて食への関心を深める動きが見られている。

 帯広市内のコープさっぽろベルデ文化教室キッチンスタジオ(西17南4)は「食の安全・暮らしの安心」をコンセプトに、農林水産省の補助も得て「健食プログラム」に取り組む。とりわけ地元産食材を活用した料理講習会は幅広い世代に好評で、昨年10月から1カ月間で約200人が参加。アンケート結果を見ても、「親子で楽しく調理できた」「地元の食品に切り替えたい」などといった声が多かったという。

◇評価する意識
 実際に管内の生産者と対面して作り手としての思いやストーリーを聞ける機会もある。同スタジオのスタッフを務める高橋貴子さん(50)は「安全や環境に配慮して生産された食品をしっかりと評価しようという意識付けにもつながっているようです」と話す。アンケート結果を踏まえ、今年度は前回より10回多い計30回の開催を予定している。

◇参加411人
 また、TPPの勉強会も管内各地で活発に行われている。帯広消費者協会(丸谷誠会長)は昨年8月から11月まで実施し、初回の「TPPと『食』の安全」は会場のとかちプラザの部屋が満員になったほど。遺伝子組み換えや食品添加物、穀物の輸送・貯蔵時に使われるポストハーベスト農薬などが話題に上り、他国の基準に合わせられることで日本の食の安全が脅かされる危険性が示された。

 全5回の勉強会には市民ら計411人が参加。同協会の大西正和専務理事は「情報開示が少ない中で交渉が進むことに不安を抱く人が多い表れではないか。近頃は増税などで低価格志向が高まっているが、安全な食品を選ぶ目を養う努力が垣間見える」と話す。

◇環境も健康も
 一方で、TPPが国民の健康に影響を及ぼす恐れも。管理栄養士の資格を持つ帯広大谷短期大学(音更)の植田志摩子教授(生活科学科)は「安価な外国産食品が市場を席巻すれば、食卓から国産が消えて日本人の食文化崩壊にもつながりかねない。摂取する食べ物にもよるが、生活習慣病や心臓病などを患うリスクは高まる」と警鐘を鳴らす。

 厚生労働省によると、近年は若者を中心に動物性脂肪や油脂類を含む高カロリーな外国産の食品への依存が高まり、40~74歳の男性の2人に1人はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と推計される。そのため、十勝に住む人にとっては「地元の旬な食べ物を取ることが、環境にも体にも良い。十勝全体で地産地消を浸透させることが大事」(植田教授)と強調する。

 TPP時代を生き抜くために必要な知識をどう身に付けていくか-。自分たちが口にする食べ物やその生産環境に関心を持ち、日本の食を守り抜くための“選択”が消費者には求められている。(おわり、小縣大輝)

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