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【TPP十勝の新戦略~貿易自由化の流れの中で】(4)牛肉生産

  • 2014年7月28日 13時35分

安全・安心にこだわって育てられている牛と大野代表

全てに安全安心 消費者に
 「安全・安心にこだわった牛を作っているということを消費者に理解してもらい、不安を感じることなく牛肉を買ってもらいたい」。肉牛約4000頭を飼う大野ファーム(芽室町)の大野泰裕代表は語る。

 同ファームでは抗生物質(モネンシン)フリー、非遺伝子組み換えの飼料を使い、農場内で生産した牧草や麦わらなどをできるだけ自給している。

◇肥料も環境も
 病気予防のためにミルクに抗生物質を入れる牧場もある。しかし、抗生物質を投与された牛に耐性菌ができ、その牛肉を食べた人体にも耐性菌ができる可能性がある。大野代表は「耐性菌の問題があるが、抗生物質が危険かと言われれば実はよく分からない。ただ、分からないということに不安を感じる人もいる。そうした不安を少しでも取り除きたい」と話す。

 ミルクの段階から出荷まで抗生物質を使わない同ファームでは病気対策として、アンモニア臭を出さない、換気扇を回すなどの方法で、畜舎の環境を良くし、牛のストレスをなくすなど管理を徹底している。

 配合飼料の輸入穀物は非遺伝子組み換えのもののみを使用。同ファームでは畑作も経営しており、大野代表は「畑作は非遺伝子組み換えで行っているのに、片方だけ遺伝子組み換えを使うのはダブルスタンダードになる」とその理由を説明する。

 また、生産履歴の公開にも取り組んでいる。食べた餌の情報や詳しい治療履歴などをオープンにし、「お客さんに対する安全・安心の評価につながっている」(大野代表)。

◇価格は厳しい
 環太平洋連携協定(TPP)など先行きが不透明な面もあるが、「価格だけの勝負は厳しい。作り方から品質まで全てにこだわっていかないと」とした上で、「安全・安心というコンセプトをしっかりと持っていれば消費者にも理解してもらえるはず」と強調する。

 一方、TPPで輸入の増加が見込まれる米国産牛肉の安全性に疑問を投げ掛けるのは、北海道対がん協会細胞診センター(札幌市)の藤田博正所長だ。米国で肉牛に成長促進剤として投与しているホルモン剤が、人間のホルモン依存性がん(乳がん、卵巣がん、大腸がんなど)の発症に影響を及ぼしている可能性を指摘する。

 医師である藤田所長によると、1991年の牛肉の輸入自由化以降、日本人の乳がん、子宮体がんの死亡率が増加している。一方、欧州諸国では、89年にホルモン剤を投与した米国産牛肉の輸入を禁止して以降、乳がんの死亡率が下がっているという。

◇米国産に懸念
 2009年、藤田所長らはホルモンの一種「エストロゲン」の牛肉中の濃度について、市販の米国産牛肉と国産牛肉とで比較調査を実施した。結果、米国産牛肉のエストロゲン濃度の平均値は赤身部分で国産の約600倍、脂身部分で約140倍となった。

 ホルモンと発がんの因果関係は医学的に証明されてはいないが、藤田所長は「日本と欧州の動向を見ると関連があると疑わざるを得ない」と警鐘を鳴らしている。(津田恭平)

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