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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】壁を越えて~女性たちと就業環境(8)

  • 2013年12月3日 13時47分

保育士から建設会社社長へ転身を遂げた上野さん。家族とともにCDNの仲間の存在も支えとなっている(金野和彦撮影)

十勝では……………次のステージへ
動きだした連携、支援

 「お客さまから笑顔をもらえるよう頑張っている。(住宅の)構造はまだ分からないが、お客さまの思いは分かる」。20年間務めた保育士から、昨年4月、家業を継いで建設会社社長に転身した音更町の上野美幸さん(42)は生き生きと話す。

CDN後押し
 父で現在は会長を務める吉田光吉さん(67)が1984年に創業した「ヨシダホーム」(同町緑陽台)で従業員11人を率いる。保育士の経験や女性の視点を生かし、建築士の夫・和洋さん(43)=同社副社長=と共に日々奮闘している。

 人生を変えるきっかけとなったのは、女性のキャリアアップや起業を支援する「十勝キャリアデザインネットワーク」(CDN、佐々木直美代表)が主催する「第1回キャリアデザイン大賞」(2011年)への応募だった。

 知人に推薦され、応募書類を作成する中で初めて自身のキャリアとじっくり向き合った。「次のステージでもっと人の役に立ちたい」。書き終えて、背中を押された気がした。同大賞では社内キャリア部門で優秀賞を受賞。11年3月、表彰式で出会ったCDNのメンバーのパワフルな姿にも刺激され、同月末に保育園を退職した。

 家族とともに、今の上野さんの支えとなっているのがCDNの仲間たちの存在だ。CDNは09年、キャリア形成や起業を目指す女性たちが共に学び、互いに成長することで地域に活力を生みだそうと十勝の異業種の女性で発足。現在、40人の会員がいる。

 (1)管内企業の女性管理職の割合10%超え(2)起業女性の100人超え-を最終目標に、勉強会や情報交換を重ねている。4年間の活動を通じ、カフェを起業したり、職場で昇任したりと、各会員がそれぞれの形で自分らしく「働く」姿を追い求めている。

ミスマッチも
 女性自身が立ち上げたCDNの他、十勝でも働く女性をサポートする公的な取り組みが利用できる。ハローワーク帯広は08年から、仕事と子育ての両立を希望する人や、子育てを終え再就職を目指す人を対象とした「マザーズコーナー」を設置。各種支援セミナーなどを展開している。利用者は開設年の522人から昨年度は751人に増え、担当者が付いて支援した場合の就職率は90%に達する。

 ただ、職種のミスマッチなど課題は多い。子育て中の女性の多くは保育所のない日曜・祝日が休みの事務系職種を望むが、求人は少ない。「特に、子供が小さければパートが中心。経験や技術を生かしたい気持ちがあっても、地域で当てはまる仕事があるかは難しい」(同ハローワーク)という。 

 中小企業庁の女性の再就職支援事業「中小企業新戦力発掘プロジェクト」は十勝では企業登録は1社のみで、実習は実現していない。育児休業制度の導入では、道が両立支援促進のアドバイザーを企業に無料で派遣しているが、管内の利用は近年ゼロだ。

 企業側の意識変化などが不十分な管内の現状に、道のアドバイザーを務める社会保険労務士の谷田陽一さん(芽室)は「十勝では女性は短期、非正規の雇用が多く、育児休業などの制度が浸透していないのでは」と語る。

 CDNは11月、働く女性が直面する問題の解決や夢の実現に助言する「メンターシップ事業」を始めた。十勝でも官民で動きだしたサポートの仕組みづくり。佐々木代表は「職場を改善する企業がある一方で、意識がない企業も。働く女性のお手伝いをし、環境を整える努力をしていきたい」と力を込める。(おわり、澤村真理子、小林祐己)



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