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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】壁を越えて~女性たちと就業環境(7)

  • 2013年12月2日 13時40分

勤務時間中に従業員の子供を預かるテキサスの「スマイル」。託児施設を持つ事業所は十勝でもまだまだ少数派だ

十勝では……………企業
育児サポートまだ一部
託児所を開設

 「勤務時間に合わせて子供を預けられます。お昼寝室もありますよ」。食料品・酒類小売のテキサス(落合洋社長)が、帯広市西20南2の本部近くに構える社内託児所。3年前に新築した木造平屋約300平方メートルの施設だ。総務部の会田哲之人事労務担当部長の案内で中に入ると、幼児が元気に駆け寄ってきた。

 「スマイル」と名付けた同託児所は午前8時から午後8時まで、勤務中の従業員の子供を受け入れる。保育士は自社雇用で、社員とパートの5人体制。福利厚生の一環で利用料金は一律1時間50円。店を休む元日を除いて毎日の運営だ。現在は約50人が登録し、利用の多い週末は約20人の子供たちが過ごす。

 テキサス本店のレジで働く久保法美さん(35)は高校卒業後に同社に就職。結婚・出産で一度退社したが、パートで復職した。託児施設の存在が決め手の一つだった。4人の子供がおり、現在は下の2人を預けている。「土・日も預かってもらえるし、店の近くだから子供に何かあっても様子を見に行ける」

 同社の託児所運営は20年ほど前に始まった。従業員(テキサスで215人)の7割を占め、店で接客する女性の存在は大きく、「後発企業として、優秀なパートの離職をどう防ぐかが課題だった」(落合社長)という。施設維持費で年に数百万円掛かるが、落合社長は「会社も一緒に子供を育てるファミリー的な感覚が、従業員との結び付きを強め、さらに働きがいも生む」と強調した。

 十勝では他にも、菓子製造販売の六花亭製菓(小田豊社長)が2007年、本社工場(帯広市西24北1)に隣接して社内託児施設を整備し、女性社員の出産後の職場復帰を積極的にサポートする。育児休業取得の日常化を実現し、従業員約1200人が有給休暇100%の取得を継続。3年前にはワーク・ライフ・バランス推進会議(東京)の表彰で大賞も受けた。

 総合建設業のネクサス(帯広市、曽根一社長)は、育児・介護休業法に基づく社内規定作りと取得実績から、今年度の両立支援推進企業表彰(道主催)を受賞。建設業界では、そうした取り組みが工事受注に有利に働く側面があるのも事実だが、同社の場合は取締役総務部長に登用する女性が中身を考え、社内の環境変化に応じて規定を変える柔軟性がある。

経営は「人」次第
 こうした事例は、十勝でも女性が働き続けるための仕組みづくりが広がりつつあることを示すものの、全体ではまだ一部に限られ、大きなうねりにはなっていない。例えばハローワーク帯広が取り扱う求人(11月22日現在)で、利用可能な託児施設を持つ、あるいは託児・保育料の補助があるとした事業所は23あるが、うち17は医療・福祉関係の施設で「大きな病院や一部の介護施設が中心であるのが現状」(同ハローワーク)だ。

 育児休業制度を見ても、帯広市内で同制度を就業規則に規定する事業所は44.3%(市調査、12年度)。道内平均61.4%を大きく下回り、実際に制度を利用した事業所の割合も15.4%(全道45.7%)と低迷している。

 育休制度などが浸透していない点について、同ハローワークは「中央の支社などが多い札幌や旭川に比べ、地場の企業が多いことも背景にあるのでは」との見方。ネクサスの曽根社長は「中小企業の経営は『人』次第。男か女かではなく、力のある人、やる気のある人に力を発揮してほしい。そのためにも、会社も努力して(従業員の)不安を排除しなければ」と話す。
(安田義教)



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