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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】壁を越えて~女性たちと就業環境(2)

  • 2013年11月23日 13時21分

ファイル管理の徹底などで業務をフォローし、介護・育児休暇を取りやすくしている向洋電機土木(左が横澤課長)

向洋電機土木
介護支援 柔軟に対応
 横浜市南区にある3階建て社屋。電気工事業の向洋電機土木(倉澤雅彦社長)では従業員27人(うち女性4人)中、現在3人が介護をしながら働いている。総務部の女性社員(44)もその1人だ。

 「子育てがようやく終わる矢先。全てが手探りだった」。昨年、父親(80)が軽度の認知症と診断され、戸惑いの中、同市内の実家で老老介護の母親(73)を支えつつ介護保険の手続きなどに追われた。仕事を続けられるか不安だったが、専門学校と高校3年の娘2人を持つシングルマザー、辞めるわけにはいかなかった。

独自休暇制度も
 会社には支援制度と、それを使える風土が整っていた。法令に沿った制度の他、家族の介護休暇は「年5日以上(有給)」など独自ルールも充実。現在は有給休暇で時間をつくっているが、今後は時短勤務や介護休暇も利用するかもしれない。「介護に何年かかるか分からない。でも、職場の理解があり、いざというときに休めるという安心感がある」

 同社は社員重視の方針から、子育てとともに介護支援に力を入れており、過去2回、仕事と家庭の両立支援に取り組む企業を表彰する「よこはまグッドバランス賞」(同市主催)も受賞している。

 その特徴は小規模ならではの柔軟性にある。短時間の外出について手続きを無くした他、1つの業務を原則2人で担当し、片方が休んでもフォローできる体制を築いた。事務職の女性4人についても同様だ。業務によってはテレワーク(在宅勤務)を認め、そのための環境整備も図った。制度をつくった総務部の横澤昌典課長(41)は「子育てと違って、介護はいつゴールが来るのか分からない。介護される側の状況も千差万別。だから、介護をしたいときに休める方法を考えた」と説明する。

資格取得を推奨
 介護の問題はプライベートとして従業員が抱え込んでしまいがちで、特に女性にかかる比重は大きい。労務管理の面でも、従業員間や総務との間で個人的な悩みを相談できる環境づくりが重要で、同社では資格取得のための勉強会などを通して積極的に社内コミュニケーションを図っている。資格取得は女性従業員にも推奨しており、冒頭の女性は「建設業で働く女性にありがちな“おまけ”的な感覚はない」と働きがいを強調した。

 実は横澤課長も介護の経験者だ。大手総合商社にいた20代後半、がんで余命1年と宣告された父をみとるため、自宅近くの勤務地への異動や休職を希望した。しかし、制度はあっても前例がなく、売り上げに影響すると認められなかった。介護に専念するため退社の道を選んだ。

 「労働人口が減ると優秀な人材も少なくなる。今いる人材を離さず、どう育てるかが企業生き残りのカギになる」(横澤課長)。同社では10~20年後に、従業員の多くが本格的に介護に直面するとみられている。仕事と介護の両立は、企業にとって重要なリスク管理でもある。
(安田義教)

<向洋電機土木の介護支援制度>

 育児・介護休業法は、100人以下の企業にも短時間勤務(1日6時間)や残業の免除、介護休暇の導入などを義務化している。同社の場合は家族の介護休暇(年5日以上、上限は決めずに介護状況で判断)の他、介護時短勤務と介護休業が各最大365日(無給)。介護休業は勤続年数に算入する。




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