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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】壁を越えて~女性たちと就業環境(1)

  • 2013年11月22日 14時16分

 女性が活躍しづらい国とされる日本。その中で育児・介護と仕事の両立や人材活用を、企業も個人も模索している。社内制度で働きやすい環境を整える企業など官民の支援の先進事例をリポートし、併せて十勝の取り組みを紹介する。

女性社員が半数以上を占めるベネッセコーポレーション。最大限の能力発揮へ、仕事と生活の両立支援が進められている(東京本部)

ベネッセコーポレーション
能力発揮へ支援充実

 東京都多摩市にあるベネッセコーポレーション東京本部。通信教育「進研ゼミ」の本部などがあり、晴れた日は西側に富士山を望める21階建ての自社ビルと近隣の2つのビルで約1500人が働く。広々としたフロアは女性の姿が目立ち、時折、楽しそうな笑い声が聞こえる。入社1年目で、進研ゼミ小学講座で児童向けのダイレクトメールを制作する中村香菜さん(22)は「男女の差を気にしない。自分が男性でも働きやすい職場と思う」と充実の表情だ。

女性社員が54%
 大学生の就職先人気企業でも上位に入る同社は、優秀な人材の確保に向け、男女雇用機会均等法施行(1986年)前の70年代前半から男女の区別なく総合職の採用を進めてきた。77年に女性社員の数が男性社員を上回り、今年4月現在の正社員は男性1290人に対し、女性は1514人と54%を占める。

 69年に高校生向けの「進研ゼミ」で始まった通信教育事業は、中学生から小学生、さらに幼児向けの「こどもちゃれんじ」へと拡大し、80年代以降、急速に成長。同社人財部労務課の鬼沢裕子課長(51)は「教材作りや保護者向けのメッセージなどに女性の視点、母親の視点がうまくマッチした。事業成長がそれを物語っている」と話す。雑誌「たまごクラブ」などを発行する生活事業でも、女性の能力が生かされた。

 女性の活用に伴い、社内制度もさまざまに整備された。86年の女性の再雇用に始まった育児休業制度は改定を重ね、昨年度には子供が満1歳になった直後の4月14日、もしくは9月14日までに変更した。改定前は一律、保育園のならし保育が終わる4月14日までとしていたが、年度後半に育休取得者の大半が会社を離れ、復職者の4月集中で元の職場に戻れない人もいたため、業務に支障が出ないよう時期を分散させた。

 育休制度の利用者は、社全体で男性も含めて年間約100人に上る。今月中旬には来年4月の復職予定者70人を対象とした研修会を開き、会社の現況などを説明、復帰に向けて万全の準備をするよう促した。

両立した上で…
 自らも働きながら3人の子供を育てた鬼沢課長は「休職前と同等、もしくはそれ以上の貢献ということをかなり意識付けしている」とし、「(仕事と生活の)両立のために会社としていろいろ支援しているわけではなく、両立した上でキャリアアップしてもらわないと」と強調する。

 4月現在の社全体の管理職中、女性の割合は34.8%。今春入社し、小学生の教材作りを担当する茅田亜希さん(22)は「自分の努力次第でチャンスがあるので、やりがいやモチベーションにつながる」と笑顔を見せる。

 一方で昇任を望まない女性も少なくはなく、今年初めて管理職に最も近い等級の女性社員を集め、キャリアについて意見交換の場も設けた。「女性に優しい企業」ではなく、男女の差別なく、社員全員にいかに能力を最大限に発揮してもらうか。現場の声を吸い上げ、試行錯誤を続けながら環境づくりを進める。(澤村真理子)

<ベネッセコーポレーション>
 本社岡山市。1955年に「福武書店」として創業。資本金30億円。教育・生活事業などを手掛ける。社員の両立支援は、福利厚生の中身を自分で選べる「カフェテリアプラン」、1カ月の所定労働時間は勤務する前提で個人の裁量で働く時間帯を選べる「スーパーフレックス制度」などがある。ワーキングママには育児休業の他、育児期間中の短縮勤務制度も整え、9割が活用している。




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