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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】農の現場から 十勝酪農法人会・湯浅佳春会長インタビュー

  • 2013年9月17日 14時57分

<略歴>  新得町出身。有限会社友夢牧場(新得)社長。十勝酪農法人会に2005年の設立から関わり、09年から現職。

農業法人化
メリット生かす戦略を

 農業生産法人の立ち上げで得られるメリットとしては、一般的に法人格を得ることによる信用性や、法人所得と経営者としての報酬が分離することによる節税効果、融資額の拡大、就業規則の整備への期待などが言われている。しかし、農家の経営規模や考え方はさまざまで、法人化の目的は農家によって異なる。

 私の場合、今の有限会社牧場を立ち上げたのは「年中働き続けなければならない酪農だが、休みを取りたい」と思ったのがきっかけだ。近所の酪農家が代替わりの時期を迎えていたこともあって、2001年に近隣の複数戸で法人をつくった。酪農家3戸の他、今は畑作農家1戸、新規就農の1戸が加わった。

 目的だった休日の増加にはこだわり、週に2日は確保できるようになった。勤務時間が大きく変わったわけではないが、休みが保障できるだけでも良かった。工夫すれば、家族ごとにも休みを合わせられる。

 複数の農家が経営を共にし、機械や設備などを工夫することで飼育頭数を増やしやすくなるのは、酪農ならではのメリットだろう。法人化当初は200頭だった私たちの牧場も、900頭規模まで広がった。

 メリットの一方で、複数の農家が一緒に経営していく中で、一般的に言われるのが人間関係の難しさだ。それぞれの農家で先頭に立ってきた経営者たちが、法人では社長になり、専務になり、従業員になる。十勝で複数の農家ではなく、単独で法人化(1戸1法人化)するケースが多いのは、意志決定の難しさや、1戸でも規模の大きい農家が多いのが要因の一つだろう。

 法人化をすれば、経営の現状が目に見えるようになるが、すぐに経営が良くなるわけではない。社長が数字を分析し、しっかりとした経営戦略を持ち、役員や従業員を納得させる努力は欠かせない。(聞き手・深津慶太)

 道内の農業生産法人は今年1月現在で2834。振興局別で見ると、十勝は443法人と道内で2番目に多く、増加を続けている。

 道は経営の効率化や雇用増加などが期待できるとして、複数戸による法人設立を促進する支援事業を行っている。ただ、単独での法人化が2017戸と全体の7割を占める状況で、十勝も同様の傾向にある。

 法人化設立を推進する北海道農業会議は「収入が少ないと節税効果は見込めないが、十勝では単独で大規模な農家が多いため、1戸1法人でも設立のメリットはある」と分析する。

 法人格を持つことのメリットとして同会議は「従業員の募集や、直接販売する際に取引業者との契約など信用性が担保されるケースもある」としている。




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