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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】農の現場から~本別・井原牧場の場合(2)

  • 2013年9月15日 13時39分

兄と一緒に酪農を営む道を選んだ克知さん(左、金野和彦撮影)

2人の後継者
兄弟で歩む規模拡大の道
一緒にやりたい

 「俺も牛飼いがしたい」。次男の克知(かつのり)さん(33)にとって、酪農家は小学生の頃から目指した職業だった。

 動物が好き、そして兄の宏和さん(37)と一緒に働きたい。周りでは兄弟で後を継ぐ農家は少なく、仮に継いでも続けるのが難しいと聞く。進学した帯広農業高校や帯広畜産大学別科の入試面接では「お兄さんがいるのに(農業を)やるの?」と信じてもらえなかった。

 宏和さんは違った。高校時代にその兄から進路を聞かれ、克知さんは「一緒にやりたい」と即答した。当時の搾乳牛は約40頭。兄弟で経営するには少ない数だが、宏和さんは「やる気があるなら一緒にやろう。弟となら、あうんの呼吸でできる」と2人で規模拡大を目指すことにした。

酪農家は大幅減
 牧場のある美蘭別地区では後継者のいない農家は比較的少ないが、本別全体に目を向けると農家戸数は年々減少している。酪農家に限ると、1960年代後半は600戸以上あったのが今は80戸を切った。

 後継者の不在や高齢化、多額の費用が必要な牛舎の更新などを理由に、離農したり、畑作に転換したりしている。後継ぎの子供がいても、牛の頭数や畑の面積など経営環境によっては将来、苦労することは分かっている。父の伸治さん(64)は「それなら早いうちに引導をと考え、自分の代で借金を無くし“卒業”する農家もいる」と話す。

200頭規模に
 井原牧場では、兄弟でいかに安定した経営を築くかという課題がある。そのため、家族経営協定を結び、規模拡大に備えて牧場の法人化もした。

 控えめな克知さんは、行動的な宏和さんと対照的な性格と言われる。農協との付き合いなど対外的な仕事は兄に任せ、自分は牧場に専念する。1人で牧場を切り盛りする日は少し不安になるし、兄に叱られることもあるが、「社長は兄貴、自分は裏方。第三者が思うよりはやりやすい」

 念願の牧場を継いで10年余り。克知さんは「酪農の仕事は、積み重ねたものが成果として出る達成感がある。たとえ嫌なことがあっても生活していかないとならないし、最終的な目標が何か分かっているから変に我を通すことはしない」と話す。

 大規模化に適したフリーストール牛舎で、200頭規模の搾乳牛を飼育する-。兄弟2人で描く牧場の未来図だ。(安田義教)



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