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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】農の現場から 柳村俊介北大大学院教授インタビュー

  • 2013年9月15日 13時35分

後継者
方針を定めた継承が重要

 農業後継者の現状については統計上、道内に比べ府県の方が、同居する後継者がいる販売農家の割合が高いというデータがある。しかし、多くはあまり農業に従事しておらず、別に会社勤めなどの仕事を持っている形だ。一方、同居の後継者が主に農業に従事していると回答した農家の割合では、例えば道内の酪農が2割5分と高い。

 つまり、府県では同居者が農業後継者に確定していない場合もあるのに対し、道内では若いときから就農し後継者に確定している人が多い。いずれが後継者を確保しているかと問われれば、はっきり言い切るのは難しいが、十分に確保できていないという問題は共通している。

 農業の規模拡大が進む中、世襲というと良いイメージではないが、世襲ではない新規農業参入に比べると、有形、無形の財産を次の世代に移行しやすいなどいろいろな面から円滑な継承を実現しやすい。

 世襲の場合は、農家の家族関係を良好にするために意識的な取り組みを行う必要がある。特に、経営面も含めた男女共同参画の度合いが重要な課題だ。農家に嫁いだ若い女性は自分で子育てをしたかったり、他に仕事を持っていたりする。つまり、農家の家族関係は変化している。しきたりに従うだけではなく、話し合いによって家族が役割を決め、各人の自己実現も図ることが経営上も重要になっている。

 その中で、家族経営協定も継承に向けた手立ての一つだ。そのような相当意識の高い取り組みがなければ、世襲での継承もうまくいかない。

 第三者継承は、規模拡大しているだけに難しさもある。研修を経ての即時継承や、共同経営後の継承、法人化後の代表者交代などの方法があるが、いずれも有形、無形の財産を引き継ぐ際に短所と長所がある。

 第三者継承でも世襲でも、自然に継承が進むのを待つのでなく、しっかりとした方針に基づく取り組みが必要で、地域や他の農業者からの励ましなど外部の支援を借りることも大事だ。それは農業で働く環境自体を整える上でも、潜在的な力になるのではないかと思う。
(聞き手・井上朋一)

 農業後継者の人数と直接的に一致するわけではないが、道の新規就農者実態調査によると、農家出身者の年間の就農者数(新規学卒とUターン)は、直近10年では全道で500~600人とほぼ横ばい。一方、十勝では以前の150人前後が100人前後へと減少傾向が見て取れる。ただ、振興局別では、十勝の人数はこの10年間、道内で最も多い状況が続いている。

 同じく道が道内市町村を対象に実施した「担い手育成・確保に係るアンケート調査」の結果(2010年公表)では、後継者確保で必要なことの質問で、農業所得の向上、配偶者対策に続き、「給与・休日制の導入」「業務の明確化」を挙げた市町村が全体の4割近くに上った。就労環境の整備が必要との認識がうかがえる。




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