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【TPPから見る参院選 十勝の課題】(4)建設業

2013年07月16日 13時53分

十勝南部の帯広・広尾自動車道の工事現場。こうした地方の工事にもTPPで海外企業が参入できるようになるかもしれない

地方への影響 未知数
アベノミクスには恩恵

 「環太平洋連携協定(TPP)によって農業が大打撃を受けると、それを支える建設業にも大きな影響がある」。帯広建設業協会の萩原一利会長はこう指摘する。同協会は他の経済団体や農業団体と協調して反対姿勢を示してきた。

 建設業への直接の影響では、業界から「大型の入札に海外の企業が参加できるようになり、押し出された国内大手ゼネコンが地方に進出し、中小業者を圧迫するのでは」と懸念する声がある。一方で「地方の公共工事の入札にはほとんど影響がないだろう」と楽観視する業者も多い。

 現在、国が発注する工事は世界貿易機関(WTO)政府調達協定に基づき、5億8000万円以上から海外企業が参加できる。実際に、札幌市の工事で、韓国の建設会社が日本の企業と共同企業体(JV)を組んで落札した例もある。

 TPPでは参加国から、海外企業が入札参加できる対象額を引き下げるよう求められる可能性がある。国内業者を優先する入札参加業者の制限も、撤廃を要求される可能性がある。

 反TPP姿勢を示している管内建設業界だが、安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」で大きな恩恵を受けている。小泉純一郎政権の構造改革、民主党政権下の「コンクリートから人へ」のスローガンなどにより、管内の公共事業費はピーク時(1998年)の3分の1に落ち込んだ。

 民主党政権は2010年度、農業農村整備費を6割以上削減。帯広開発建設部の予算も10年度は前年度比26.8%減の326億となったが、今年度は約374億円に回復した。

 公共事業が活況を呈しつつある今、従来自民党を支持してきた建設業界は再び同党との距離を縮めつつある。10年の前回参院選は静観していた帯広建設業協会は、今回は自民党全国比例候補を推薦した。

 TPPの建設業への影響は未知数の部分が多く、専門家も意見が分かれるため、建設業界では反対機運は盛り上がっていない。入札制度に詳しい北大大学院の高野伸栄准教授は「入札手続きなどが変わる可能性はあるが、交渉の内容が見えず、TPPの影響範囲は見極められない」と話しており、業界関係者も十分な判断材料がないのが現状だ。(おわり、眞尾敦)

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