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【TPPから見る参院選 十勝の課題】(1)農業

2013年07月11日 14時55分

 十勝では、参院選(21日投開票)の大きな争点として、環太平洋連携協定(TPP)が有権者の関心事となっている。十勝毎日新聞社のTPPに関する世論調査の中で、安倍晋三内閣への支持率が24.2%という十勝。TPPに関係する「農業」「景気・雇用」「医療・社会保障」「公共事業」について有権者の思いと十勝の課題を探る。


小麦と大正メークインなど輪作が崩れることを懸念する道端さん(帯広市大正町で、折原徹也撮影)

誇り支える政策を
「堅持」「反対」…視線冷ややか

 国産小麦の4分の1を生産する大産地の十勝。帯広市大正町で45ヘクタールの畑作農業を営む道端真人さん(34)は、小麦の穂が黄金色に変わりつつある畑で、「『10年後には小麦を作っていないかもしれないね』と仲間とよく話になる」と言い、TPP参加に不安を抱く。

 安倍晋三首相は3月15日、TPPの交渉参加を表明、今月23日にも米国や豪州などと関税撤廃を原則とする交渉に入る。

輪作が崩れる
 十勝では小麦、ビート、豆類、ジャガイモの4品目を基本に、1年ずつ栽培する品目を変えて地力を維持している。道端さんも、小麦13ヘクタールの他、豆類6ヘクタール、ビート7ヘクタールと地域のブランド「大正メークイン」9ヘクタールなどを栽培。小麦に関して「別の品目がないかと考えても30〜40ヘクタールの規模の農家に小麦の作付け分を変えられる品目はない。そうなると輪作が崩れる」とする。連作すれば地域が誇る「大正メークイン」も、そうか病など病気の発生が増え、品質に影響が及ぶ。

 TPPに反対して誕生した自民党政権。道端さんは「選挙のときには良いことを言う。うそをつかないでほしい。食をつくり出す農業に若い人は誇りを持っている。夢を持って農業ができるようにしてほしい」と訴える。

 参院選で、政権与党の自民党は米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物など「重要5品目を守る」と主張するが、芽室町の畑作農家尾藤光一さん(49)は「守れる保障はない」と冷ややかだ。一方で他党が主張する「TPP断固反対」も「そう言っても止められない」とみる。

見えぬ「所得」
 国の農業政策の不安定さが十勝にとっては課題だ。これまで、農業政策は政局にのみ込まれてきた。民主党政権時に導入された戸別所得補償制度。高収量、高品質になるほど収入が得られる。先進的な農家が多い十勝では評価する声が多い政策だったが、法制化されなかった。

 自民党は今年度、制度の名称は変更したが、制度の仕組みそのものは継続。来年度からの抜本的見直しを予定する。尾藤さんは「欧州のような直接支払いを導入し、国民に税の使われ方を分かりやすくして、内外価格差を埋める政策を」と求める。

 政権与党は農業・農村所得倍増をうたうが、具体論はこれからだ。更別村で畑作55ヘクタールと肉牛90頭の経営をする森田泰光さん(45)は「専業農家に力を入れた政策を打ち出してほしい」と、見えない農業政策に気をもんでいる。(関坂典生)

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