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【TPP識者の視点】(7)雪印メグミルク社外取締役 日和佐信子氏

2013年05月20日 14時45分

<ひわさ のぶこ>
 1936年東京生まれ。59年に早稲田大文学部卒。東京都生活協同組合連合会理事、日本生活協同組合連合会理事などを経て、97年から全国消費者団体連絡会事務局長。2002年6月から雪印乳業(当時)社外取締役を務め、09年10月から現職。内閣府の第1次消費者委員会(09年9月〜11年8月)の委員も務めた。

食の安全 情報と冷静な判断を
 まず、このインタビューでは2点留意してほしい。1つは私の見方が、雪印メグミルクの見解ではないこと。次に環太平洋連携協定(TPP)交渉自体が、その過程を明らかにしておらず、推測や憶測が多分に含まれることだ。

 その上で、まず、貿易の自由化を進めることに異議はないが、TPP自体は進めるべきではない。それはアメリカの影が強すぎるから。文化的にも民族的にも近いアジア諸国との関係を強化すべきだと思う。TPPで食の安全が脅かされるとする言説や消費者は多いが、その点に関しては個々に冷静な判断が必要。TPPだから食の安全が確保できないというのは疑問だ。

前提に科学的根拠
 例えば農産物の残留農薬や、輸送中(ポストハーベスト)の基準緩和が懸念される。しかし、アメリカの方が残留農薬基準についての情報公開が徹底しており、安全性を担保する制度。残留農薬基準といっても同じ農産物でも違うし、生産地の気候などでも変わる。さらに、食生活によっても許容される基準は変わる。食品添加物でも同じことが言える。

 遺伝子組み換え(GM)作物は、すでに国内でも多く消費されているが、安全性が確認されているものしか流通していない。アメリカでも同じ。科学的に安全性が確立した食品が流通の前提である限りは、やはり食の安全は確保されていると言える。

 いずれにせよアメリカにも「消費者」はいる。それなのに米政府は、食の安全で、果たして自国民をないがしろにするような基準とするだろうか。どんな政府も自国民を守ろうとするのではないか。

消費者の自覚大事
 ただ、消費者の「安心」は別だ。安全は客観的指標で測れるが、安心は主観的で、消費者一人ひとりで異なる。感情論も入る。そこでTPPの最大の問題が何かと言うと、情報がなさ過ぎることだ。情報があり過ぎて困ることもあるが、少なくとも情報がなければ判断のしようがない。

 何を選択するかは最終的には消費者に委ねられ、その消費者の選択はマーケットを動かす。消費者はそのことを自覚して大事にし、TPPの議論でも、冷静に個々に判断していくべきだと思う。
(おわり、井上朋一)

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