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【TPP識者の視点】(6)北大大学院教授 横田弘氏

2013年05月19日 16時36分

<よこた ひろし>
 1955年徳島県生まれ。80年東京工大大学院理工学研究科修士課程修了、同年運輸省入省。2000年港湾空港技術研究所構造強度研究室長、09年北大大学院工学研究科環境創生工学専攻教授、10年から同工学研究院北方圏環境政策工学部門教授。

建設 透明性確保の要求も
 環太平連携協定(TPP)で建設業界も変わっていく可能性が高い。21分野のうち建設に関係があるのは、主に貿易の技術的障害と政府調達になる。

 例えば、設計の方法や材料調達、品質管理などに影響がある。入札契約、プロジェクト管理、竣工検査などでも国際ルールで透明性を求められることになる可能性がある。

 発注時の(工事内容などを指定する)日本の仕様書は非常に簡単な内容。「書かなくてもあの会社はこれくらいやるだろう」といった信頼関係に基づいている。海外の仕様書はやることだけ書き、やらないことは書かない。業者は書いていないことはやらない。

独自習慣なくなる
 TPPで全てオープンになると、日本独自の習慣に基づいている部分がなくなるのでは。これには良い部分と悪い部分がある。

 日本では役所(甲)が発注して業者(乙)が受注する2者関係で、役所の力がとても強い。発注者の言うことが間違っていると思っても文句を言えない。

 海外では第三者の独立したチェッキングエンジニアなどが照査する。発注者、受注者、照査者の3者が対等な関係となる。橋やトンネルなどが出来上がるまでのプロセスもきちんと透明化していく流れは、歓迎すべき方向だと思う。

 マイナスの面では、国内のやり方を変えなければならないかもしれない。業者は最初は慣れずに仕事が取れないかもしれない。

 平等性を保つため、表向きは入札時の本社所在地制限などを設けなくなる可能性がある。小さな工事を取るメリットはあまりないかもしれないが、海外の企業が入札に入ってくると一気に進出してくることも考えられる。そうなった場合のために企業も技術力を高めていくことが必要だ。

一括発注にリスク
 コンサル業務では、水道で愛媛県松山市がフランス資本の会社に施設の運転操作や維持管理を委託している例がある。TPPでこのような事例がさらに広がっていく可能性はある。今まで分割発注だった工事を、海外企業が入札に参加できる額になるよう一括発注を求められることもあり得る。一括発注は倒産時のリスクを発注者が負うことになる。(眞尾敦)

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