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【TPP識者の視点】(5)経団連国際経済本部長 金原主幸氏

2013年05月18日 14時24分

<きんばら かずゆき>
 1956年東京都生まれ。79年東大卒、同年経団連入局。英国オックスフォード大学国際関係論修士課程修了、在ブリュッセル(ベルギー)日本政府代表部(外務省出向)、21世紀政策研究所主任研究員などを経て2008年から現職。

貿易 コスト減 利点大きく
 環太平洋連携協定(TPP)だけでなく、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)などアジア・太平洋地域の自由貿易協定(FTA)・経済連携協定(EPA)は日本の成長戦略の重要な柱。デフレを脱却して経済成長しなければ、雇用も生まれず、富もつくれない。農業保護や社会保障のための税金も払えない。TPPは特定の企業のためのものではない。

不参加選択肢ない
 TPPではアジア・太平洋地域の主要な国が共通のルールづくりをしており、今後も参加国は増える。関税は一部分で、さまざまな基準・標準をなるべく近づけている。最終的にアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)になる。アジア・太平洋地域の長期的な共通ルールづくりをしているのに、入らなくていいという選択肢はない。日本はアジア・太平洋地域の重要な一員ではないのか。日本はこの地域で貿易も投資もしなくていいのか。

 日米合意で、自動車など大幅な譲歩を約束させられたことは、戦略的決断の遅れの代償がいかに大きなものか教訓として受け止めるしかない。TPPの前身のP4に米国が参加意図を表明した時点で、日本がその戦略的重要性に気付き、同時に参加の関心表明さえしていれば、今回のような高い「入場料」を支払わされることはなかったし、TPPのルールづくりに初めから関与できた。

 それでもこれ以上参加が遅れるよりはるかにいい。交渉国間の現状のルールに乗ってでも、今後のルールづくりを主導すべきだ。TPP21分野の中でも貿易円滑化は分かりやすい例。輸出時の入管の書類の手続きで、フォーマットを統一化し、窓口も一つにする。貿易業務に関わるコストが下がり、特に中小企業にとってメリットが大きい。

競争条件の整備を
 日本はアメリカやEUなどとFTAを結んでいる韓国と、競争条件で劣後している。せめて韓国と同じ条件を確保しなければ。

 産業のために農業が犠牲になると言われるが、日本の産業も厳しい国際競争にさらされている。農業を専業としている人へ政府が支援するのは当然だ。農業とFTA・EPAは必ず両立するし、させなければならない。(眞尾敦)

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