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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】私はこう考える〜若者の就職(2)

2013年04月20日 13時40分

かわむら・まさのり
 後志管内岩内町出身。北大大学院教育学研究科博士課程修了。北海学園大(札幌)では経済学部講師を経て現職。介護や交通運輸など業界別の労働者の調査・研究に取り組む。38歳。

■北海学園大学経済学部准教授 川村 雅則さん
自己責任でなく法整備必要
 現在の若者の雇用には「自己責任」という考え方がつきまとう。制度や構造的な問題には触れず、「自己分析や適職診断などを、きちんとやっておけば就職できる」「どんなつらい仕事も、自分を高めれば乗り越えられる」といった精神論がのしかかる。

手厚い支え崩れる
 例えば仕事が合わなかったり、どうしようもなく、つらくなって辞めるのは、自分の責任とだけで片付けられてしまう。

 早期離職した教え子の一人は「就活で、合わない企業だと見抜けなかった自分が悪い」と打ち明けた。そこまで若者が、自分を痛めつける必要があるのか。大学生の就職活動の解禁時期を後送りする提案があるが、学生にとっては短期決戦になり、就職への不安がさらに増すことになる。

 かつて企業が右肩上がりの業績を残した時代は、昇給なども手厚く、企業もきちんと労働者の面倒を見ていた。しかし、そうした支えは、今の若者たちにとって崩れつつある。

 だからこそ、雇用や労働に対する法整備の必要性は高まっている。正規雇用の厳選化で非正規雇用の若者が増える中、4月から労働契約法が改正され、5年を超える有期雇用者は申し出れば無期雇用化できるようになった。有期から無期に転換するという制度自体は大切だが、5年がたつ直前での雇い止めなどへの対策を取らなければ、絵に描いた餅になりかねない。

 たとえ正規雇用で働くことができても、人員削減による働き過ぎの問題も顕在化している。週60時間以上も働く正社員がいる一方で、働きたくても働けない若者もいる。正規と非正規は地続きであり、多くの若者を労働市場に参加させる仕組みも欠かせない。

 特定の業界別の雇用状況にも目を向けるべきだ。介護現場、特に施設介護では若者が多く働き、早期離職率も高い。使用者側に「賃金を上げて」というのは簡単だが、施設が受け取る介護報酬が低いなど、介護制度自体の問題点にもメスを入れなければならない。

 中小企業については、単に雇用の確保を要請するだけでなく、地域産業の振興策などと併せて考えていく必要がある。

労使協議活用を
 雇用・労働の改善のためには、法整備だけでなく、労働組合の存在にも注目すべきだ。法律は、企業それぞれの雇用・労働状況全てに対応しているとは言いがたい。非正規雇用問題への対応の鈍さ、使用者側の取り込みなどから、労働組合の独自性や存在感が薄れつつあるのは事実だが、法の下、労働者と使用者の間で協議できる場を生かさない手はない。
(深津慶太)



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