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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】漂う若者(5)

2013年03月06日 14時17分

限られた時間。効果的なキャリア教育の実践は各高校共通の課題だ(塩原真撮影)=写真と本文は関係ありません

キャリア教育「どう実践」 
職業観の醸成 学校間に差

 「(キャリア教育を通して)卒業生やいろいろな人の話を聞くことができ、早い時期から就職に対する意識を持てた」。4月からJA大樹町で働く小関瑠衣さん(18)=大樹高校3年=は、自身の在学中をそう振り返る。同JAは2年時のインターンシップ(就業体験)先。第1志望で、採用試験解禁早々の昨年9月に内定を得た。

内定率100%
 同校は総合学習(年間35コマ)の全てをキャリア教育に充て、身近な話題からアプローチする講座や受験企業の事前見学など、段階を踏んで生徒に「働く」ことへの実感を持たせている。その成果もあり、就職内定率は4年連続で100%を達成。今年度の卒業生は、昨年中に全員が内定を勝ち取った。

 キャリア教育は、新年度から全面実施となる高校の新学習指導要領で全学校での推進を求めている。十勝でも既に全高校が、教科に取り入れたり、総合学習を活用したインターンシップなどを展開。単位制による幅広い選択科目設定や、見学旅行での企業・大学訪問などを導入した帯広三条高の取り組みは、進学校でのキャリア教育成功例としても注目を集める。

 しかし、その内容については学校間でばらつきがある。例えば、管内のある道立高校では総合学習やロングホームルームの一部を使っているが、キャリア教育として計画的な組み立てには至っていない。「うちの学校は正直、遅れていると思う」(進路指導担当者)というように、進路指導は各教諭がそれぞれの経験値で行っているのが実情で、年度によって教育内容も変わりがちだ。

 同校の別の教諭は「生徒同士の会話を聞いていると、職業について知識が少ないことに驚かされる」という。キャリア教育の充実は急務との思いがある一方で、「総合学習の時間は進路学習以外にもやるべきことがある。どう時間を使っていくか合意形成しなければ」と話す。

地域の力借りて
 限られた時間の中で、どう効果的にキャリア教育を実践していくかは各校共通の課題だ。「学校の先生は就職活動の経験のある人が少ない。自分たちだけで頑張るのではなく、地域の力を借りることが必要」と話すのは、NPO法人教育プラットホーム北海道(小樽市)の藤田和久副理事長。インターンシップについても「イベント化したり、中学でやったことの繰り返しになっていることもある」とし、事前・事後学習の充実や小・中学校との連携が不可欠とする。

 若年層の早期離職も課題となる中、職業研究の充実など学校現場に求められる役割は大きい。ジョブカフェ北海道(札幌市)の山本真史センター長は「高校では、教科全体を通して適切な職業観を醸成していく必要がある」と指摘している。(おわり、澤村真理子)

<キャリア教育>
 一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育。社会経済の国際化などを背景に、重要性が叫ばれるようになった。文科省は高校の次期学習指導要領の策定に向け、教科化の検討を始めている。



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