HOME 特集 【年間キャンペーン とかち 新・働く考】漂う若者(4)
   | メール配信登録  twitter facebook |

特集

【年間キャンペーン とかち 新・働く考】漂う若者(4)

2013年03月05日 13時32分

パン製造に精を出す山口さん。「みんなで意見交換するなど楽しい職場。向いている仕事に就けた」と充実感を感じている(金野和彦撮影)

高校生「適職はどこに」
内定の陰にミスマッチ深刻

 「もう少し頑張ってみようかな」。2月初旬、管内の道立高校の進路指導室で女子生徒(18)=3年=がつぶやいた。昨年9月以降、希望の事務職で4社を受けたが、就職は未定。卒業を間近に「職種を広げようか」とも考えたが、もう1社だけ事務にこだわろうと思った。

 事務職志望の理由は「周りから『向いている』と言われたから」。しかし、1人の募集枠に応募が10人いたりと現実は厳しかった。友人らが内定を得る中、次第に不安が募った。

 昨年末時点で73.2%と、ここ10年で最も高い管内高校生の今年度就職内定率。ハローワーク帯広は、十勝の企業が地元の若者雇用に尽力する結果と分析する。ただ、その陰では生徒の希望職種と企業側が求める職種のギャップ、いわゆる「ミスマッチ」が深刻だという。

 「求人数は多い。一方で、希望と違う分野は考えにくいという生徒も多い」。町村部のある道立高校では多くが求人数の少ない販売職を希望し、逆に求人の多い介護など福祉系の希望者は少なかった。

志望理由は知名度
 進路指導の教諭は語る。「希望の理由は高校生にとっての知名度。だから販売」。希望とはいっても、仕事に対するイメージが外見だけで浅いとの指摘もあり、それは若者の早期離職とも密接につながっている。

 冒頭の高校でも女子の3割強が事務や販売職を希望。「幅を広げて」と指導され、職種を変えて内定を得た生徒もいる。ただ、高卒の約5割が3年以内に離職する現実に「希望にこだわるのと、取りあえず決めて辞めるのとどちらがいいのか」(指導教諭)と葛藤も感じる。

 「自分に向いている職種を探したが、在学中は分からなかった」。パン製造販売の満寿屋商店(帯広)の調理部門で働く山口愛子さん(20)は、高校での自身の就職活動を振り返る。同社への就職が決まったのは、卒業から4カ月後だった。

 在学中は、幼い頃からよく知る手芸店の販売職の試験を受けたが、面接でうまく話せなかった。「先が見えず、真っ暗で不安」な中で卒業し、見つけた満寿屋の販売職募集。面接ではやはり十分とはいかなかったが、「製造に向いている」と言われ、採用の知らせが届いた。

 今はひたすら手を動かすのが楽しい。自分が調理に向いていると、初めて分かった。「高校時代は好きなことや憧れの仕事に目が行き、自分は何が得意かと向き合えなかった」。それでも諦めなかったことで今がある、と感じている。

卒業後も就職活動
 前出の女子生徒はその後、事務も兼ねた接客業で内定を得た。同校では卒業式を終えた今も、10人以上が就職活動を続けているという。自分に適した仕事は何で、いつ巡り合えるのか。高校での就活は、自分探しの旅のほんの始まりなのかもしれない。(小林祐己)

<新規高卒の就職>
 管内高校の昨年末時点の就職希望者770人のうち、内定者は564人。管内求人数は希望者を上回る861人あった。2004〜12年の3月末時点の内定率は82.8〜93.1%。平均で毎年約71人が、就職を希望しながら内定を得られずに卒業を迎えている。



Facebookページに、取材した記者の感想など編集後記を掲載しています。

観光特集(勝毎電子版)
十勝川白鳥大橋ライブカメラ
6~12時 12~18時
24日の十勝の天気
最高気温
14℃
最低気温
1℃
朝日デジタル

今、なぜ「かちまい」…
ご購読のお申し込み