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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】漂う若者(2)

2013年03月02日 14時05分

十勝でも3割を占める非正規労働者。連合の相談員(左)のもとには悩みや相談も届く(塩原真撮影)=写真と本文は関係ありません

非正規「いつ雇い止めに…」 景気低迷、遠い正社員
 「休みは月3回。勤務が不規則で、体力も使うので体が持たなかった」。管内の企業で正社員だった男性(30)は数年前に辞め、別の事業所で契約社員として働いている。週休2日で配達業務を担当。当初は時給700円ほどだったが、昇給基準をクリアし、今は1300円台に。独身で実家暮らしのため、特に生活に不自由は感じていない。

 それでも、「いつ『雇い止め』をされるか分からない。将来、家庭を持ちたいとなったら…」と不安は募る。登用のルートが用意される中、今は正社員が目標。営業ノルマ達成のため自腹を切りながら働く毎日だが、正規雇用を勝ち取れるのはほんの一握りだ。

融通利くが給料
 契約社員や派遣社員、パート、アルバイトなど、契約期間が限られている「非正規雇用」。1990年代半ばから増え始め、今や働く人の3割を占める傾向は十勝でも変わらない。勤務形態が比較的柔軟で融通が利く半面、正社員より給料は低い傾向にあり、不安定な雇用環境に身を置く。

 厳しい雇用情勢を反映し、非正規労働者の若年層も多く、道内では全体の4分の1を「15〜34歳」が占める(2012年労働力調査)。正規雇用を望む声は強く、連合十勝・帯広が昨年初めて実施した管内の実態調査(回答者数779人)では29歳以下男性で希望者が61.4%、30代同で65.9%に上った。

 一方、企業側にも事情がある。景気低迷の中、帯広市内のある企業は4年前から新卒の正規採用を控え、人件費の抑制策として非正規雇用を続ける。人事担当者は「経営を安定化させるのが優先。景気が上向き、業績が上がらなければ正規雇用は難しい」と話す。

 帯広で派遣社員として働く販売員の女性(35)は今の売り場に来て2年。接客が好きで、同僚との仲もうまくいっている。ただ、目標を達成しなければ「売り場の誰かが辞める」という条件に気が抜けない。独身で、将来を考えると安定した生活を送りたいが、「努力や経験を認められず、正社員から『非正規』とひとくくりにされることがやるせない」という。

補助業務ではない
 連合十勝・帯広の調査を分析した北海学園大経済学部の川村雅則准教授は報告書で「非正規が家計補助、短時間勤務、正規の補助業務といった見方は古い」とし、待遇改善や正規化へ、正社員が非正規の働き方に理解を深めるべきだとする。

 国は昨年、厚生労働省の懇談会で、非正規雇用を含めた望ましい働き方ビジョンを策定。正規・無期雇用化や非正規労働者の能力開発、雇用のセーフティーネット強化を掲げ、一部法制化も実現した。将来の夢、人生設計…。若年層の未来はどう描かれていくのだろう。(深津慶太)

<非正規雇用>
 2010年国勢調査(総務省)によると、十勝の非正規労働者は4万5643人で全雇用者(12万3496人、役員除く)の36.9%。男性のうち非正規は18.1%、女性では59.1%を占める。



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