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【年間キャンペーン とかち 新・働く考】私のスタイル(6)

2013年01月08日 13時45分

「待っているお客さんを裏切れない」と物産展回りを続ける野原さん(ルーキーファームの本社店舗で、金野和彦撮影)

ルーキーファーム事業部長
 野原英雄さん(72)=帯広
客の笑顔がエネルギー

 「牛乳は朝、食前に1杯飲んで。速やかに腸に行くんだよ」。物産展の来場者に、明るい笑顔で、牛や牛乳のことを詳しく語り掛ける。百貨店の開店から閉店まで会場に張り付き、多いときは1日にフローズンヨーグルト900カップ、ソフトクリーム1500本を売り上げる。全国の消費者との出会いが、野原さんのここ20年間の日常だ。

出張年間200日
 ルーキーファーム(帯広市西5南34)は地元スーパー・いちまるのグループ会社で乳製品などを扱う。

 野原さんの出張は年間200日。全国の百貨店の北海道物産展を渡り歩き、ジャージー牛乳を使った自社製品を販売する。売り場に同年代の姿は少ないが、「僕は現場第一主義。作り手の思い入れがある商品を、お客さんにおいしいと言ってほしい。倒れるまで現場にいたい」と笑顔で話す。

 熱い思いの原点は、自らも酪農家だったこと。生まれ育った帯広市川西で営農し、娘夫婦に経営を譲る50歳まで搾乳を続けた。今も家族5人で川西で暮らす。農家時代から、よつ葉牛乳の消費拡大協力委員として消費者と関わった経験もあり、1991年から新開発されたフローズンヨーグルトなどの販売を続けている。

 「僕にとって、仕事は遊び」と言い切る。仕事以外に楽しみを持つ必要がないということだ。物産展が続く秋には2カ月以上、自宅に帰れないときもあるが、「酪農家に休みはあるかい? 今もその延長線上。仕事と思うから休日が欲しくなるんだ」と日々を楽しむ。

 もちろん、旅暮らしに疲れるときも。一時はリウマチで立つことができなくなったが、車いすで物産展会場を回り続けた。「待っていてくれる人がいる。貴重なお金を出してくれる人が、『おいしかったよ』と言ってくれるのが一番の喜び」。お客さんの笑顔をエネルギーに変えている。

自分を売り込む
 商品を売るのでなく、自分を売る−。これが野原さんの哲学だ。若い人から90歳近い人まで、来場者に多い女性たちは「全部恋人なんです」と笑う。「彼氏、できたかい」「お孫さんは幾つになったの」と常連客との会話を楽しむ。そのために、目いっぱいのおしゃれも心掛ける。「70歳を超えても、元気な姿をいつまでも見せたい」というのが願いだ。

 60歳を過ぎた頃、同級生からは「いつまで仕事してるのよ」と言われた。最近は「仕事があっていいなあ。うらやましいよ」と周囲の反応が変わった。「今は充実している。事務所に座り『売り上げが悪い』って指示を出してたら、きっと続いていないですね」と楽しそうに笑った。

 今年も23日から広島、埼玉、横浜と物産展巡りの旅が始まる。「北海道の商品を求めている人は、まだまだいる。もっとしっかりと売り込みたい」と張り切っている。(おわり、小林祐己)

 <高齢者の就労> 2010年国勢調査によると、十勝管内の65歳以上の高齢者は8万6971人で、人口に占める割合は24.9%。就業者数は1万7143人で、就業率は19.7%とほぼ全国並み。産業別では農業5191人、卸売・小売業2218人、サービス業1528人、建設業1526人の順に多い。



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