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【年間キャンペーン 350万市場への道】第3部 無料化スタート−下−

2010年07月05日 14時57分

道東道・十勝平原SAで管内各団体が開催し、成果を上げている物産販売・PRのイベント(写真は芽室町観光物産協会)

−オール十勝−
抑えきれない“わが町”意識
連携意義 時間かけ浸透

 「他町村と一緒になると独自の取り組みがぼける」
 「農産物など主な特産物は管内ほとんど同じ。それぞれで企画した方が効果的では」 6月から道東道・十勝平原サービスエリア(SA)で道東道とかち連携協議会(道東連協)主催のロングランイベントが行われているが、5月に帯広市内で開かれた出店者説明会では、効果を疑問視する声が出ていた。当初、6団体が出店予定だったが、参加したのは5団体だった。

 実際にスタートすると「(無料化以前の)上限1000円効果もあり、予想以上に多くの利用があった。飲食や青果を扱う会員で新たに出店を希望する会社もある」(十勝観光連盟)という。帯広物産協会が出している牛サガリ串(くし)などは連日の売り切れ。高速道路無料化初日の6月28日は平日にもかかわらず、休日並みの売り上げだった。期待された「シナジー(相乗)効果」があった。

全体は賛同も細部には不満
 十勝と道央・札幌圏350万人市場を結ぶ来年の道東道全線開通を「オール十勝」で交流人口増や地域活性化につなげよう−帯広商工会議所や十勝総合振興局などが音頭を取り、管内各地でさまざまな取り組みが始まっている。各自治体担当者も「相手は道央、道南、道北というくくり。“わが町”意識でやっていく時代ではない」(新得町商工会)、「単独で売り込むよりも連携した方が相乗効果が期待できる」(音更町)などと賛同する。だが、道東連協の説明会でもみられたように、細部については一枚岩とはいいがたいのが現状だ。

 道東道からの距離やインターチェンジ(IC)の有無なども影響する。ICのない自治体からは「道東道を活用したまちの活性化についてきちんとした議題になったことはないし、(道東道の)利用促進協議会にも名を連ねているが、正直実感がわかない」(管内東部の自治体)、「既存の国道を活用した活性化策を打ち出したい」(同西部の自治体)と本音も漏れる。

 「なんだかんだ言ってもインフラや飲食街が集中して、人の集まるのは帯広なんだから、もっと積極的にリーダーシップを発揮すべきだ」(管内北部の自治体)という帯広市への不満も聞こえてくる。

実感し始めた手つなぐ効果
 それでも「連携」の意義は浸透しつつあるといえるだろう。

 昨年4月から北十勝4町広域観光振興連絡協議会(事務局鹿追町)が北十勝4町(音更・士幌・上士幌・鹿追)で2泊することを条件に札幌から無料送迎バスを運行している。連携で宣伝する費用を分担し合い、広域の魅力を発信している。「宿泊者が伸びたし、それ以上に効果的にPRができ、知名度がアップした」(鹿追町商工観光課・黒井敦志課長)という。鹿追町の道の駅では今年4月、十勝総合振興局の「とかち農山漁村交流促進事業」で北西部ブロックの6町(音更、士幌、上士幌、鹿追、新得、清水)のグリーンツーリズム情報にも対応し始めた。

 民間の取り組みだが、十勝と旭川、富良野の観光庭園7施設が連携した「北海道ガーデン街道」は旅行代理店からも多くの注目を集めている。これに参加する真鍋庭園(帯広)は6月は前年対比2割増の入り数だった。「観光シーズンを迎え、今後も伸びをかなり期待できる」。点から線につながった効果を実感している。

 「地域の総合力で戦うには確かに少し時間がかかるかもしれないが、地域の宝物を探してつなげていく。知恵を出すことがますます求められていく」と十勝観光連盟の松山豊専務理事は語る。

 「具体的なテーマでつながる部分をみつけることが大事だ」。十勝総合振興局の竹林孝局長も、無料化社会実験スタートで、改めて「連携」の重要性を感じている。
(関坂典生、犬飼裕一)

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