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【年間キャンペーン 350万市場への道】第3部 無料化スタート−上−

2010年07月03日 14時54分

 道東道の無料化社会実験の地域への影響を追いながら、各地の取り組みや課題などを探った。
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−変わる玄関口−
「峠」から「IC」へ
攻めの「PR作戦」始動

 道東道の無料化社会実験の地域への影響を追いながら、各地の取り組みや課題などを探った。

 高速道路の無料化社会実験が始まり、3日初めての週末を迎えた。朝方、小雨も交じる天候だったが、午前中の道東自動車道の通行量は前週を上回った。

「確実な需要」改めて手応え
 音更帯広IC(インターチェンジ)に近い柳月スイートピアガーデン店(町下音更)前で物産販売を行う「おとふけマルシェ(市場)」には午前10時のオープンから客が集まった。早い時間は地元客中心だったが、昼前には札幌、室蘭、旭川、北見ナンバーの車が増え始めた。「スイーツと野菜が一緒に買えて便利ですね」。家族で札幌市から十勝川温泉に旅行に来た宮本恵理さん(35)は笑顔をみせた。

 このイベントは音更町物産協会(大塚宏明会長)が、道東道無料化や来年度の全通をにらんで6月に始めたものだ。毎週土、日曜日に、特産のブロッコリー、アスパラガスなど23種類の野菜などを販売した。6月27日までの8回で1日平均利用者は300〜400人。道央客が全体の4分の1を占めた。3日午前の客入りは、曇り空にもかかわらず、晴天だった日とほぼ同じだった。津本明伸・同町産業連携課長は「十勝に対する道央客の需要は確実にある」と改めて手応えを感じた。

 興味深いデータがある。かつては十勝の玄関口は日勝、狩勝両峠を有する清水、新得両町だった。しかし、道東道がつながるにつれ、役割が徐々に十勝の母都市である帯広に近い芽室、音更、池田各町に移行してきた。今年のゴールデンウイーク(4月29〜5月5日)の音更帯広ICの1日平均利用台数は1381台で清水(989台)を大きく上回った。同道無料化社会実験が始まってこの傾向はさらに加速している。日勝峠の1日平均利用台数(平日)は2005年は8000台だったが近年は5000台に。無料化開始後の5日間(6月28〜7日2日)はさらに半減した。

イベント発信SAを活用
 音更町だけでなく、同じように「玄関口」となる芽室、池田両町でも観光協会、町が力を合わせて道央客取り込みの「PR作戦」に取り組む。

 芽室町では町観光物産協会(鈴木健充会長)主導で道東道十勝平原サービスエリア(SA)で5月に特産のジャガイモ、ゆでトウモロコシなどを販売し町をPRした。「ネクスコさんと協力してSAを町の情報発信基地として活用できれば」(手島旭・同町産業振興課長)というのが狙い。トイレ休憩でSAに立ち寄る道央客にイベントを告知する看板を高速付近の道路に設置することも模索中だ。

ワインと連携滞在型目指す
 池田町では、閑散期である11〜12月に宿泊観光企画「とまっていけda」を繰り広げる予定だ。これまでの通過型観光から滞在型観光への移行を目指し、町内の宿泊施設、温泉施設などとワイン城が連携し体験観光や食を味わってもらうというものだ。同町産業振興課の宮本隆史商工観光係長は「通過型ではドライバーに十勝ワインを飲んでもらえない。泊まってもらえれば存分に味わってもらえるはず」と話す。あえて閑散期に行うのは「池田でしかできないものをPRするため」(宮本係長)。他地域で何もない時期に実施することで希少価値を高めることが狙いだ。

 音更町では、音更帯広ICの玄関口としての機能を高めるための議論が続く。「IC付近に柳月さんを中心とした周辺施設の拡充を考えてもいいのでは」「音更で降りれば十勝の情報がすべて分かるようにしたい」−−いろいろなアイデアが浮上している。

 「道東道無料化は大きなビジネスチャンス。指をくわえて道央客を待っていたのではだめ。自分たちでアクションを起こさないと道央に人、物を吸い取られるだけで終わってしまう」。

 池田町観光協会の田岡明洋会長はこう警鐘を鳴らす。“おらが町PR合戦”はまだ緒に就いたばかりだ。(関根弘貴)

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