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【始動 米沢市政】(4)民間出身

市長就任の心境を「拓」の一文字で表現した米沢則寿市長。持ち前の経営感覚で帯広の未来を開くことができるのか…(21日の就任記者会見)
<経験・人脈 経済に期待感>
「企業誘致、中心街活性化など市政の閉塞(へいそく)感を断ち切り、物の見方、取り組み、システムを抜本的に変えてほしい」
帯広市長選で「中立」の立場を取った市内の会社役員は、同じ経済界出身の新市長への期待感を語った。
高橋幹夫氏、砂川敏文氏と2代続けて官出身の市長が続いた帯広市政。民間出身の市長は田本憲吾氏(1974〜90年)以来、実に20年ぶりだ。米沢市長は、中央で振るった経営手腕を地方行政の場で生かすことに意欲を示す。
実態と課題は熟知
「日本中の中小企業の社長と話した数では人後に落ちない。中小企業の実態と課題は熟知している」
米沢市長はこう語る。石川島播磨重工業(現IHI)からベンチャーキャピタル草分けの日本合同ファイナンス(現ジャフコ)に入社、北海道ジャフコの社長時代は帯広を含む道内22社の上場をサポートした。
それらの企業はもちろん、ジャフコの大株主の野村ホールディングスなどにも人脈を持つ。海外赴任も経験、国際感覚も身に付けている。歴代の帯広市長と比べてあらゆる面で異色のキャラクターだ。庁内には新市長の実力を見極めようとする雰囲気がある半面、「行動力はありそう」との声も聞かれる。
地域に雇用を生み、税収増につながる企業誘致は市政課題の一つ。だが、市などが整備した「西20条北工業団地」は、今年度中の完売目標とは裏腹に半数近くが残る。パナソニック電工帯広(西25北1)などは行政トップの人脈を使い誘致に成功した好例。市議会には進まぬ企業誘致へのいら立ちから、優遇措置など市の施策に加え、トップセールスの強化を求める意見が強まっていた。
「市役所で誰よりも働く」と宣言する米沢市長は、農業を中心とした産業振興、環境関連の企業誘致などを公約に掲げた。帯広信用金庫地域経済振興部の秋元和夫部長は「地元の経済、金融界が目指す方向と一致している。企業誘致ばかりではなく、地域に根差した十勝ならではの産業育成も大切」と語り、1日も早い施策の具体化を期待する。
一方、地元経済界との対話も不可欠だ。市長選では、対立候補の上野敏郎氏を応援した経済人も少なくない。「地べたをはう中小、零細の実情を知っているのか…」「『きっとね』ではなく『必ず』やってもらわないと困る」との声も漏れる。
中小零細の目線で
帯広商工会議所の高橋勝坦会頭は「民といっても幅広く、まちづくりにも昼と夜の顔がある。中小零細の目線で進めないとまちづくりはうまく進まない」と指摘。「帯広・十勝の光る物は何か。焦点を絞り、スピード感を持って進めてほしい」と話す。
選挙戦で経営感覚に基づく「可能性」を訴えた米沢市長。「先駆的な中小業者の中には行政と波長が合わないことに嫌気をさしていた人もいる。コミュニケーションを取って一緒にやっていきたい」と語る。中央で培った経験・人脈は新風を吹き込むのか、経済界は注視している。(安田義教、おわり)




