特集
【選挙に行こう 2010市長選】 高齢者の願い
年金収入減、医療費の負担増、生活苦−。高齢者を取り巻く環境が厳しさを増している。十勝毎日新聞社が市長選で行った世論調査では、最も関心のある政策として「医療福祉」が上がった。有権者のうち高齢者にとっては、日ごろの健康維持や持病の治療など切実な問題。生活していくため介護も欠かせない。市民4人に1人という本格的な高齢化社会を控え「安心して老後を過ごせる政策を」という訴えは届くか。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-**-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

老人クラブの資料に目を通す高齢者。「医療と福祉の充実を」の願いは届くか−
医療費、老々介護…増える負担
市民目線で予算作りを
「年金生活は大変。国保から後期高齢者医療制度に変わり負担は増えるばかり。高齢者にとって健康維持は重要なのに、生活苦で病院にも行けず、命を削って我慢している人は多いのでは」と語るのは元教員の小松浩一さん(81)。
2年前、75歳以上は既存の市町村国保から切り離され同制度への加入となった。4月からは制度創設後初の保険料改定で5%値上げされ、実質的な保険料は年6万5319円。「先が見えている高齢者だけで運営すれば財源不足は明らか。政権交代で数年後に制度改正されても状況が良くなると思えない」とみる。
仲間とともに同制度廃止運動に加わり各自治体の状況も調べた。「自治体財源で後期高齢制度の負担軽減を措置する先進事例もある。そうした制度を取り入れるなど、市民生活に目を向けた予算を作ってほしい」と話す。
一方、元市職員の金子富夫さん(78)は、高齢者相談に各戸を回った経験を振り返りながら「生計が苦しくても生活保護は不要と突っ張る高齢者もいる。お金がなく、身の回りのこともヘルパーに頼もうとしない。夫婦などの“老老介護”もどんどん増えている」と現状を説明する。
自らが会長を務める柏陵地区老人クラブ連合会などでも介護は話題に。金子さんは「ボランティア活動でポイントをためて、介護サービスが必要なときに代価として利用できる新しい取り組みも東京などで始まっている。高齢者が元気なうちにポイントをためておけば、体が動かなくなってお金がなくても、サービスを頼める」と可能性に期待。「実現には行政の支援が必要。(現市政は)屋内スピードスケート場にかなり経費をかけているが、新市長には医療福祉を手厚く考えてもらいたいものだ」と訴える。(児玉匡史)



